あらすじ
打ち切り10周年記念出版! 伝説の「大きい乙女」再臨!! 散り散りに収録されていた読み切り版、約40ページに及ぶ没ネーム、イラストなど『純情パイン』の全てを一冊にぶち込んだ尾玉コミックス史上最厚約320ページの大ボリューム!!! 死してなお甦る、これが乙女魂さね!
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Posted by ブクログ
10年前、週刊少年ジャンプを毎週買って、熱心に読んでいた頃、
この漫画「純情パイン」は、突如掲載された。
独特の絵と設定、シュールと形容するしかないギャグは、
当時中坊のガキだった私の理解できる範囲を超えて、
読んだ印象は「なんだこれ…」だった。
しかし、その奇妙な存在感は、当時の学校内のジャンプ読者間で広がり、
「円の動き」「交換日記を二往復」「オナップ星人」
などの言語は一部で流行した。
わずか13話でのロケットで突き抜けた打ち切りと共に、すぐに忘れて廃れたが。
その後、週刊少年ジャンプを読んでいた頃の思い出に耽る時、
この漫画のことを、なぜかまれに思い出すことがあった。
熱中して読んだわけでもなく、特別に面白いと思ったわけでもないが、
記憶の中には、この漫画で植えつけられた何かがあったのだ。
あれから10年経ち、今回の復刻で改めて読んでみた。
感想は「なんだこれ…」ではなく、「ふつうに面白いぞコレ!」である。
おそらく一般的には、とても「ふつう」ではなく、
今のジャンプに連載されて、今の小・中学生が読んでも、
きっと「なんだこれ…」と感じて、すぐに打ち切りになるだろうが、
10年経って、自分の趣味・趣向はこれを「ふつうに面白い」と感じる様になってしまったのだ。
そして、作者の尾玉なみえ氏が、当時は若干22歳のうら若き女性にも
関わらず、このような漫画を執筆されていたことに衝撃を受けた。
まさに早すぎた天才、いや早すぎた変態だと思う。
他の尾玉なみえ作品を衝動買いしたくなってしまった。
これから週刊少年ジャンプの思い出を語る時が来れば、
この漫画のことを毎回持ち出してこようと思う。
例え伝わらなかったり、引かれたりしようとも。