あらすじ
向田邦子2冊目の随筆集。「荒城の月」の「めぐる盃かげさして」の一節を「眠る盃」と覚えてしまった少女時代の回想に、戦前のサラリーマン家庭の暮らしをいきいきと甦らせる表題作をはじめ、なにげない日常から鮮やかな人生を切りとる珠玉の随筆集。知的なユーモアと鋭い感性、美意識を内に包んだ温かで魅力的な人柄が偲ばれるファン必読の書。文字が大きく読みやすくなった新組版。
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Posted by ブクログ
電話は固定してるのが当たり前であった時代、平成という時代も、携帯もパソコンも見ることはなかった向田邦子さん(1929~1981)の「父の詫び状」に続く二冊目のエッセイです。「眠る盃」、2016.1発行。一人暮らしで猫と一緒に暮らす粋で上品な独身女性の生き方を楽しく拝見しました。眠る盃、噛み癖、夜の体操、字のない葉書、抽出しの中、恩人、鹿児島感傷旅行など、とても面白かったです。
向田邦子 著「眠る盃 新装版」、2016.1発行。第1部のエッセイはお馴染みのエッセイ集ですが、第2部の男性鑑賞法や第3部については、感心が薄いのでさらっと流しました。やはり、眠る盃、噛み癖、字のない葉書、Bの二号さん、抽出しの中、恩人、うしろ姿、鹿児島感傷旅行など、読んでて、さすが向田さんのエッセイだと感じます。
独り暮らしで猫と一緒の独身女性だった向田邦子さん(1929~1981 享年51、没後40年)、2冊目の随筆集「眠る盃」、1979.10刊行、2016.1新装版、再読です。眠る盃、噛み癖、字のない葉書、猫自慢、鹿児島感傷旅行・・・、何度読んでも素晴らしいです。
♪~春高楼の花の宴 めぐる盃かげさして 千代の松が枝わけ出でし むかしの光いまいずこ~♪ 24歳で早逝した天才滝廉太郎(1879~1903)の名曲「荒城の月」、大好きな曲です。電話は固定されたものが当たり前、携帯はなく、パソコンも普及していなかった時代をさっそうと生き抜けた向田邦子さんの名調子、「父の詫び状」に続くエッセイ、「眠る盃」2016.1発行。知的ユーモアと鋭い感性、温かで魅力的な人柄が詰まった55編のエッセイです。「向田邦子は突然あらわれて、ほとんど名人である」(山本夏彦)よくわかります!
向田邦子さんの「眠る盃」(2016.1)、何度か再読しています。著者の2冊目の随筆集。今回、私のベスト10を選びました。(ページ順に:)潰れた鶴、眠る盃、夜の体操、字のない葉書、能州の景、Bの二号さん、猫自慢、抽出しの中、恩人、鹿児島感傷旅行。
Posted by ブクログ
読みやすくて面白くてあっという間に読めてしまった。向田邦子さんの文章は無理なく親しみやすい印象があって好みだ。
愛情深い人だなと感じるのはやはり動物に対する描写のせいかな。湿っぽくないギリギリのところで感情を表すのがうまい。
昭和ってこういう時代だったのだと伝わってくる。時代が変わっても人間は変わっていないと感じる部分もあり、それが温かい。
芸術の話や食レポだって面白いし、二年間住んだだけという鹿児島の思い出なんかは何年分の厚みがあるか。読めばみんな好きになってしまうんじゃないかな。