あらすじ
少年サーレは、勇者の血を引きながら、町外れのボロ家でひとり暮らしていた。その理由は、勇者でありながら魔物の瘴気だけでダメージを受けるその体質にあった。魔除けした布をまとい、魔物を倒しわずかな報酬を得る日々の中で、サーレはある決意をする。幼なじみでやはり勇者の血筋である少女・シムルが魔物退治の旅に出る晴れやかな姿を見送った後、サーレもまた旅立つ。魔物と対峙することを運命づけられた立場を変えるために。
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Posted by ブクログ
RPG的ファンタジー世界のお約束に理屈を付けたり逆手に取る作品は多くありますが、ここでもそれが活かされています。
魔物の瘴気にダメージを受ける勇者、勇者を裏切ったとされる魔女の一族、幼馴染で同じく勇者の少女。テンポ良い物語展開にのめり込みます。
で、それだけでなく。なんと殊能将之の『キマイラの新しい城』のオマージュ作品だと知り驚く。
表紙絵とタイトルだけで選んで読み始めてみたらイスルギーですからね。いやあこんな偶然の出逢いがあるとは。
知らなかったことに恥じ入りながらも、知らなかった故の喜びを感じています。