【感想・ネタバレ】ブルデュー 闘う知識人のレビュー

あらすじ

エコールノルマル・スュプリウールを卒業し、知識人界の頂点コレージュ・ド・フランス教授に選任されたブルデュー。哲学を学び、やがて社会学に方向転換したブルデューは、今もフランスと世界の思想に大きな影響力を持つ知識人。界・文化資本・ハビトゥスなどの社会学概念は21世紀の社会を分析するのにも有効な武器となる。(講談社選書メチエ)

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Posted by ブクログ

思想家を紹介する入門書は、最初にその人の生涯を紹介して、その後に、思想を年代ごとに、あるいはテーマごとに紹介していくという構成の本が多い。

この本もそういう構成なのだが、面白いのは、人へのフォーカスが全体6章のうち4章がさまざまな角度からの人の紹介で、純粋にその理論を説明しているのは5章だけという感じ。

もちろん、人にフォーカスした4章もブルデューの思想と関連させながらの説明となっていて、わかりやすいし、とても興味深い。

なんとなく、私がフランスのいわゆるポスト構造主義的な世界観に共感しつつも、「現実」とはちょっとずれている感じがあるのだが、ブルデューのまずは現実の調査、必要に応じて定量分析を行った上で、理論的、思想的な議論に展開していくところに共感した。

ブルデューの思想も私が日頃なんとなく思っていることを言語化、理論化してくれている感覚があって、本人の著作に進んでみようと思った。

ちなみにタイトルの「闘う知識人」だが、社会的な不正に対して闘う人という意味かと思ったが、ちょっと違う感じもある。たしかにそうした「アンガージュマン」もあるのだが、ブルデュー的な理論でいうところの「界」において、自らのポジショニングを高めるためのパワーゲームという側面も多そう。その辺りもなんだか興味深く思った。

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2024年08月30日

Posted by ブクログ

文化資本の提唱者として有名なブルデューの一生と研究を解説した書。最初はブルデューの経歴から始まり、ブルデューの癖や性格、事交友関係について事細かに解説していて読むのに苦労した。しかし、後半の研究と思想についての解説に差し掛かると、一見どうでもいいように思えるエピソードが、実はブルデューの定義したハビトゥスそのものであり、ブルデューを理解する上で不可欠なのがわかる。解説書として優れてる。

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2015年11月13日

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