【感想・ネタバレ】黒博物館 ゴーストアンドレディ(下)のレビュー

あらすじ

決闘代理人はなぜ、劇場の幽霊となったのか? 死の瞬間を思い出した時、グレイと女装の美剣士・デオンの因縁も動き出す。一方、野戦病院の改善に突き進むフローに対し、クリミアの陸軍医務局が暗殺計画を発動! そして奇妙な「ふたり」の冒険物語の最後の舞台は、20世紀の、ある夏の日のロンドンへ…。『スプリンガルド』に続く『黒博物館』シリーズ第2弾、フィナーレ!!

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シアターゴーストのグレイとナイチンゲールの物語も最終回
ナイチンゲールは戦争でデオンに襲われ倒れてしまう

#ダーク #怖い

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2025年06月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

上巻に続き、劇団四季のミュージカル観劇と交えた感想を。
下巻はバトルの迫力がすごい!生霊同士や、グレイとデオンのバトルは、普通の人間からすると見えないので、人間の頭上で行われていて、ハラハラしました。ミュージカルは生霊同士のバトルはないのですが、グレイとデオンがフライングしながら戦っているので、見応えはばっちりです笑
フローは最初、オドオドしていて弱い女性という感じ(それでも芯は強い)だったのに、グレイのおかげでやりたい仕事に就けてからは、グレイの存在もあって、色々言われてもめげない強い女性になっていくところが好きです。でもそれがまさかラストバトルにあんな形でつながるとは……展開の仕方がさすがでした。
ミュージカルの方は何人受けしやすくラブストーリーにしたのかな、と思ったのですが、ラストはほとんど同じ展開だったので驚きました。ふたりの関係性がとても良いんですよね…。ミュージカルでは音楽が素晴らしいのもあって号泣でした。
作者でありミュージカル化を許可してくださった藤田先生、この漫画をミュージカル化しようと思った劇団四季の方々には本当に感謝です。素晴らしい作品をありがとうございました。

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2024年06月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

藤田先生の「うしおととら」が今まで読んだ漫画の中で1番大好きで、もう、崇拝しております、そんな人間の感想なので、贔屓目でお目汚しください汗

クリミア戦争とフローレンス・ナイチンゲールの活躍という史実に基づくフィクション、先生お得意の冒険奇譚となっております
ナイチンゲールはもちろん名前は知ってても、看護師さん?くらいな浅はかな知識しかなく、クリミア戦争とか、もう…(遠い目)、もちろん全てこの物語通りではないことは承知の上で、本当に勉強になりました

壮絶な現場の悲痛な声と、それが全く届かず、机上の理論で現場を苦しめる上層部

という構図はいつの時代も全く変わらないのだ、と慄然とするばかりですが、もちろんそんなことで先生もフローも諦めません(フローにももちろん諦めていることもあるのですが…)

今年、劇団四季でとうとうミュージカルが上演となります、本当にこんな相性のいい、ふさわしい作品があるのか、目の付け所が違う方にただただ感謝です
というのは、このお話のもう1人の主人公、劇場に長く取り憑く幽霊、グレイが様々な有名なミュージカル(シェイクスピア)の珠玉の台詞を物語の中に効果的に挟み込み、フローたちは舞台の演者なのだ、高じて私たち一人ひとりが「現実」という舞台に立つ主人公なんだよ!というメッセージを実際に舞台で表現するというまるで入れ子構造という企みがこの上ない相乗効果をもたらすと思うのです(からくりサーカスも「出し物」という性質を効果的に配していたけど、こちらはもう「演劇」そのものが物語のエッセンスとなっています)

やはり、この時代にこの作品のことを語るのに、「戦争」について記すのは避けて通れません
藤田先生なりの「戦争の恐怖」が提示されます
もちろん、このストーリーありきなので、それが先生の全ての意見ではもちろんありませんが、やはり畏れを伴う作業だったと想像し、心から敬服するばかりです

ただ、ぼくが最も心震わすのは、先生が登場人物を通して示す熱い人生譚です

選びきれないのですが、今ぼくに1番響いた文章を引用させてください

「偽善」でしか成し遂げられない「善」があるのです

例えば、ぼくの近くに、苦しんでいる人がいたとします
何かできることないかな、ってその人の苦しみに思いを馳せます
でも、何もできることなくて、落ち込みます
自分の中の誰かが呟きます
え、結局何もせんの?じゃあ苦しむだけ無駄じゃん、なに安全地帯から偉げに宣ってんの、偽善者ぶんないでよ、逆に迷惑なんだけど(く、暗すぎる、我ながら…)

でも、また違う誰かが呟きます
その人助けたいって思ったんだよね、何もできなかったら、その気持ちは無駄なん?人のこと慮ることが本当に無駄って思ってる?

偽善だって笑いたい奴にはまた、あんたの気持ち、話してみたらいいじゃん

そんなせめぎ合いがしばしば繰り返され、それに対して先生が励ましをくださった、と勝手に嬉しかったです

そして、本当はもう1つ引用したい文章があるのですが、この駄文を読んでくださり、漫画読んでみようという奇特な方のために、書きません、だって漫画で知る方が何万倍も強く響くから

今、この漫画を読むことができて、本当によかったです、もうみんなに読んでもらいたい(だって上下、2巻なんですよ!すぐ読めます)、でも、絵が苦手って人も一定数いらっしゃる…(この絵だからこそ伝わってくるのに!…贔屓しすぎ汗)

も、もう、ミュージカルが楽しみすぎます、それを待つのも幸せすぎる…

また、大切な漫画が1つ増えました!
そして、先生の深い造詣は、どれだけの時間と努力と忍耐が必要だったかとただただ感服し、でもお茶目な先生のことだから、え、全然楽しかったんですよ、ハアハア、とかどこ吹く風って感じですよね、絶対に!

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2024年04月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

伝記であり伝奇でありラブストーリー。共に天国へは行けない哀しいナイトのグレイ、にも関わらずその彼がフローの罪を止める。作者に珍しい悲恋の形だが死と共に訪れる永遠の愛でもあり、互いに後悔のない爽やかな結末だった。

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2015年09月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ぐぅ…切ない…切ないよ、これは。

史実を下敷きとし、実在の人物をモデルとしている以上、この脚色は否定意見が出てくるかと思いますが…それでもこんな事実があったとしてもいいじゃないか、と。フローが一人の女性としての幸せを得ていてもいいんじゃないか、と思うのです。
そして、グレイがどうしようもなく、哀しい。救われていたのに、一緒に行く事が叶わないという事実。
彼はそれが分かっていても、どうしてもフローに会わなければならなかった。会いたかった。
きっと、今も国立劇場で「見たい芝居を見ている」のかと思うと…涙せずにはいられません。


ともあれ。
フローの成し遂げた事は改めてすごいと言わざるをえません。特に上巻ではひたすらに忍耐を強いられていましたから、ここで一気に彼女の願いと行動が結実する状況には強力なカタルシスを感じます。
切ったはったのアクションでも策略をめぐらす頭脳戦でもありませんが、確かに大逆転と言える戦いがありました。

それにしてもラグラン卿かっこいいなぁ…!
登場するシーンはほんの数ページしかないというのに、この存在感。一つにはホール博士を完膚なきまでに叩いてくれるという点で物凄い爽快感を与えてくれるというのがあるのですが、何せビジュアルが凄まじい。ラスボスでもおかしくない風体ですw
なのに、フローにただ礼をしたいという理由だけで馬を走らせる。そんな男気、気配りが超萌えます。ホォォォォル。

それにソワイエもレフロイ軍曹も非常にいいキャラクター。
フローに惹かれつつ、プロフェッショナルとしてかっこよさを見せてくれてます。少しずつ少しずつフローの味方が増えていく感じがなんともいえない救い。

クライマックスのスタン…もとい、生霊も大迫力で素晴らしかった…。やはりこういう展開じゃないとね、折角だし!


そんなこんなで、これぞ藤田漫画とばかりに楽しませていただきました。
黒博物館シリーズの新作をお待ちしてます!!



それにしても…あどけないフロー、たまらなく可愛いなぁ! あと色々エロい!!!

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2015年08月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

劇団四季の観劇前の2日間で上下巻を読んだ。
原作読んでから観に行ってよかった〜!!
劇のストーリーは原作と少し違うけど、大筋は同じだったので、初めてのストーリーを理解するリソースを劇を楽しむことに回せてよかった。
劇の方の感想になるけど、デオンの役者さんが素晴らしかったし、フローの最後の慟哭は息を呑んだ…観れてよかった。

漫画は、初めてこの著者の作品を読んだんだけど、なんて力のある絵を描く方なんだろうと思った。一コマ一コマの迫力がすごいのに、読んでいて疲れない!
ゴーストであるグレイがキュレーターを相手にフローの人生を語っていく…最初は歪な関係だったけど、ともに苦難を乗り越えて、お互いを知り、唯一無二のパートナーになっていく…という、展開が読めると言ったらあれだけど、王道のストーリー。
だけど期待していた展開が120点で返ってくるので飽きない…120点どころか場面によっては200点で返ってくる。絵の表現がすごかった。

最初はフローを神聖視した感じで描くのかなと思ったけど、フローがかなり醜い表情だったり少年漫画の主人公か?というくらい激情にかられた表情もして、気高さとのバランスがよかった。

あと、ナイチンゲールという人のことを知りたくなった。
今度伝記とか読んでみようかな、

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2024年08月12日

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