あらすじ
使用済みの絵葉書、義眼、徽章、発条、玩具の楽器、人形専用の帽子、ドアノブ、化石……。「一体こんなもの、誰が買うの?」という品を扱う店ばかりが集まっている、世界で一番小さなアーケード。それを必要としているのが、たとえたった一人だとしても、その一人がたどり着くまで辛抱強く待ち続ける――。
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Posted by ブクログ
小川洋子さんは他人から見たらギョッとするような気持ち悪いことを当事者は愛しているみたいな情景がうますぎる。
遺髪レースも最初は気持ち悪いと思ってしまったけどだんだん私も作りたくなってしまった。
何か気持ち悪いのに何かほっこりする不思議な読書体験。
後終わり方もいい。私が言葉であらすじを伝えても狂気としか思われないが実際に読んだ人なら理想だと思えるのでは
Posted by ブクログ
確かインスタグラムで紹介されていた本。
小川洋子さんの文体が本当に好き。柔らかで優しくて丁寧に読まないと壊れてしまいそうな文体。
そこから紡ぎ出される物語もやはり柔らかで誰かを包み込むような作品。
あるアーケードの配達員さんのお話。不思議な店ばかりでそこにやってくるお客さんもなかなか癖がある。
でもさも普通ですよ、というように商売をしている店主たちと当たり前ですよ、というような顔をしてやってくるお客さんたちには違和感を覚えつつも優しい気持ちにさせられる。小川洋子マジック。
一番好きだったのはラビト夫人。
一番理解できなくて一番幸せになってほしいお客さんだった。
面白かったです
一部ネタバレありです。
どこかに身を隠す様、ひっそりと存在していて、それでも誰かに必要とされる小さなアーケードを「私」の視点から描いた作品。
死を題材とした話が多いため暗い印象がありますが、どこか暖かく優しさを感じさせる不思議な世界観でした。
ラストシーンが特に印象深く「私」がどうなったのか考えさせられました。
自身の髪で「遺髪のレース」の制作を依頼したこと、図書館で、おそらく故意に電話番号を間違えたことなどから「私」は死に向かう準備をしていたのだと思います。
人さらいの時計が止まる描写では、「私」の時が止まったことを表しており、最後の二行で、それでも尚、生きている者の日常が変わらず続いていくことを示しているのだと解釈しております。