あらすじ
飛行機事故による死者は、全世界で年間500人程度である。飛行機による重大事故の発生率は年々減る傾向にあるが、事故はゼロになっていないし、今後ゼロになることもあり得ない。一方で、事故をゼロに近づけようという努力は常に続けられてきている。本書では、過去の飛行機事故の事例を分析し、事故はなぜ起きたかを検証したうえで、事故を減らすために機材や安全装置がどのように進歩してきたかを解説する。(ブルーバックス・2015年4月刊)
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Posted by ブクログ
本書のタイトルに誤りは無い。
多くの飛行機事故の事例から、事故は避けられないことに改めて気づかされる。
失敗する可能性のある物は失敗する。
著者は航空エンジニアではなく航空ジャーナリスト出身であるが、本書はブルーバックスであるからして、その面から事実をもとに構成されていると思われる。
飛行機に興味のある方なら読む価値あり。
Posted by ブクログ
航空事故の概観。
事故率の下がりようは想像以上だが、交通量の増加で事故の実数が増えることを懸念するというのが新鮮な発想だった。
事故の事例もたくさん紹介されているが、知らない事故が多い。重大ないし、貴重な経験の蓄積である事故でも、
日本人が登場しないと報道しない文化のせいか?
Posted by ブクログ
これまで(2015年3月頃)に世界で起きた航空機事故の概要を説明したもの。ヒューマンファクターに係るものから技術的な問題、さらには航空機での犯罪や自殺、撃墜によるものなど、死者数に関わらず、特徴的な事故が紹介されている。事例の紹介だけでなく、事故の定義や統計的な話、システムの話が含まれている。またB787やT2CASの話題など、2017年現在でも古くはない話題もある。
御巣鷹山の事故は有名だが、それと類似したCCA611という2002年に起きた事故(pp.131-3)のことは知らなかった。また、2001年の焼津上空のニアミスは知っているが、海外にも2002年にあったウーベルリンゲン空中衝突事故(pp.201-3)もTCAS RAの指示と管制官の指示に齟齬があった事例、というのも興味深い。ピーチエアの地上75mまで接近した事故の報道で「あわや墜落」みたいな報道は過剰反応だという話があったが、でもやっぱり飛行機の速度で75mは一瞬じゃないかとも思うと、やっぱり怖いと思ってしまった。(17/08/04)