【感想・ネタバレ】チューリングの計算理論入門 チューリング・マシンからコンピュータへのレビュー

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Posted by ブクログ 2018年08月05日

予備知識ゼロでも理解できるように書いてあるチューリングマシンのすごく丁寧な入門書。

チューリングは抽象的なモデルを組み立てることで決定問題を解いた。つまり、決定問題を解くという目的のために「チューリングマシン」を作り出したわけですね。それはゲーデルのゲーデル文と同じように画期的なアイデアで、結果、...続きを読む決定問題のために作ったこのアイデアが、後にコンピュータを生み出すことになった。出来すぎです。

数学者がこういう抽象的な概念を創造するっていうところがたまりません。

あらためて思うのは、チューリングマシンの考案にはヒルベルトの貢献も非常に重要だったという事ですね。なんだよ、問題出しただけじゃねーかとか思っていたけど、ヒルベルトが課題を浮き彫りにしたからこそゲーデルやチューリングが生まれたわけですから。後から見れば課題を見つけ出すってことの究極版だったわけですね。

ヒルベルトは数学世界の理想のためにこれらの問題を出した。その卓越した洞察力もさることながら、すごく人間味溢れる視野ですよね。

はぁ、天才たちの足跡はどれもたまらないですね。
チューリングマシンのエッセンスに触れられる本書、面白かったです。

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Posted by ブクログ 2014年03月24日

人間の行う足し算引き算から”計算”を説き起こし、機械にその計算をさせるには”計算の手順”(アルゴリズム)が必要になり、さらにオートマトン、チューリングマシンの解説と進んでいく。
プログラムを書く上で必須な”計算量”の説明がとてもわかりやすい。この計算量とP=NP問題の解説は簡潔でわかりやすく、この...続きを読む第6章を読むだけでもこの本の価値はあると思う。

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Posted by ブクログ 2020年09月18日

チューリングの理論だけでなく,P≠NP問題についても分かりやすくまとめられていてとても面白かった.

初学者が計算機科学に興味を持つためには良い1冊だと思います.

欲を言えば,もう少しアラン・チューリングの生い立ちや人物像について触れて欲しかったです.

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Posted by ブクログ 2019年03月04日

現在コンピュータなしでは日々の生活が成り立たないと実感するが、そのコンピュータの万能性を保証する理論がタイトルの計算理論との事。計算の定義やアルゴリズムの概念等を踏まえ決定問題から着想されたチューリングマシンの解説はとても参考になった。

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Posted by ブクログ 2018年10月19日

チューリングは何を証明しようとしていたのか。チューリング・マシンを使ってアルゴリズムが記述できる問題は計算可能であると証明した。つまり、アルゴリズムが記述できない問題は計算不能である。ヒルベルトの「決定問題」を解決するべくチューリング・マシンのアイデアは生まれた。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2015年10月10日

チューリングマシンをメインの題材として計算機科学の専門知識をあまり持たない読者にもわかるように「計算」とは何かを平易な言葉で考察している。

そもそもチューリングマシンが考案されるきっかけとなったのは、ヒルベルトの出した課題である決定問題である。この問題を解くためには「計算」を数学的に厳密に表現する...続きを読む必要があり、その手段としてチューリングマシンが考案されたのである。そして、このチューリングマシンが物理的に実現されたものがコンピュータなのである。

我々が普段触れているコンピュータはフォンノイマン型コンピュータと呼ばれ、名前の通り、ジョンフォンノイマンという天才が具体的な形で考案した仕組みで動作する機械である。ただ、フォンノイマンが何の概念がないところから1から発明したわけではなく、それぞれの年代の計算に対する概念の開拓の歴史を汲み取って考案したのである。ブール代数等々。

チューリングマシンの具体的動作をステップバイステップで説明している一般書はなかなかないであろう。丁寧に説明がなされているので非常にわかりやすい。万能チューリングマシンについても説明があってよい。

時間計算量の導入からN=NP問題についてもさくっと概説あり。

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Posted by ブクログ 2014年04月13日

これだけ易しく説明してもらえて、ようやくわかってきた気がする。
チューリングマシンが現在のコンピュータの原理となっている理由や、アルゴリズムとは何かなどを。P=NPについては間違えて理解していたことがわかった。今まで読んだ関連書籍を読み返す必要がある。

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Posted by ブクログ 2024年01月17日

大学の授業で必要だったので読んだ本。
チューリングマシンについてはすでに勉強していたため特に目新しいことはなかったけれど、先にこの本を読んでいたら理解がもっとスムーズにできたかもしれない。

後半にある計算量についての話が、今まで見たことあるけれどよくわからなかったことが説明されており楽しく読むこと...続きを読むが出来た。
計算量の話でO(n)とかO(log n)とかなんだ?といった状態だったのが二分木探索での説明のおかげで理解することができた。

ので、これからは計算量を気にしていかないといけないね。

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