【感想・ネタバレ】黒部源流山小屋暮らしのレビュー

あらすじ

北アルプスの山小屋の中でも、黒部川の岸辺という特殊な環境にある源流の小屋、薬師沢小屋。
電波も届かない山奥で、どのような暮らしがあり、どのような出来事が起こるのか。
薬師沢小屋で働いて12年目になるイラストレーターのやまとけいこが、
小屋開けから小屋閉めまでの時間軸に沿いながら、
リアルな山小屋ライフを楽しい文章とイラストで紹介します。

(内容)
はじめに

黒部源流概念図
薬師沢小屋見取り図

第一章 黒部源流のこと
黒部源流と薬師沢小屋/山小屋創成期

第二章 薬師沢小屋開け
入山/水事情/電気と電波/クマの被害/従業員十人十色/国立公園と山小屋/物輸ヘリ一回目/ネズミとの攻防/登山道整備と大東新道/増水と鉄砲水/布団干しと布団事情/傾く小屋

第三章 ハイシーズン到来
ハイシーズンと厨房事情/物輸ヘリ二回目/バイオトイレと五右衛門風呂/遭難事故と山岳警備隊/常連さんと居候/釣りと岩魚と私

第四章 秋の源流と小屋閉め
イワナの遡上/上ノ廊下と赤木沢/同居人ヤマネさん/物輸ヘリ三回目/魔のシルバーウィーク/ご近所さん雲ノ平/秋の実りとキノコ中毒事件/薬師沢小屋閉め

おわりに

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

素敵な一冊でした。イラストが上手でかわいい、文章が面白くて笑えて楽しい、自然について深く書かれている、歴史的な史実もよく調べて書かれてる、山や釣りを知ってる人にしか書けないマニアな部分もある、やまとけいこさんてなんて多才なの!
特に名前がおもろい(笑)山と渓谷!
裏銀座行ってみたいねぇ
素晴らしかったです

0
2024年05月12日

Posted by ブクログ

薬師沢小屋の小屋開けから小屋閉めまでエピソード諸々をイラストを添えて紹介している。山小屋どうしの連絡網とか、ヘリによる食料輸送、冬季の動物被害、従業員向けお風呂等々、山小屋の裏事情がどれも面白い。シルバーウィークの混雑ぶりなど、コロナ禍前のおおらかな時代がすでに懐かしく感じられる。

0
2023年08月29日

Posted by ブクログ

丁寧な絵と文章で山小屋の暮らしや登山について書かれています。読むとまた薬師沢小屋に行きたくなります。

0
2021年08月06日

Posted by ブクログ

山小屋の暮らしが読みやすい文章と、隅々まで眺めるのが楽しいイラストで書いてあってとても良かった。行けないけど、行ってみたいと思わせてくれる

0
2021年07月31日

Posted by ブクログ

可愛らしいイラストで描かれる和気あいあいとした山小屋生活、私にとっては何より先に畏れがくる。
死が隣り合わせの美しい大自然。満員の山小屋。何もかもが怖い。

0
2021年02月22日

Posted by ブクログ

黒部源流にある薬師沢小屋。6月から9月まで12年連続この山小屋で働くイラストレーターが描く、情緒豊かな黒部源流の四季。

標高1920mの薬師沢小屋は山小屋としては珍しくすぐ横を黒部源流が流れる。小屋の開くのは毎年6月から9月の末まで。

黒部の風景に惚れ込んだイラストレーターがこの小屋で働くようになってから12年。山小屋を取り巻く自然環境と訪れる多くの登山者。多様なエピソードが楽しめる。

食材の輸送は歩荷(ボッカ)のほかヘリ輸送が年に3回。特に山開きの際の搬送は少ない人数で急いで荷物を片付けピストン輸送の次の便のスペースを開けなければならない。またハイシーズンに食材が不足しカレーが次第に薄まったり缶詰ばかりになったりすることもあるという。

なんと言っても山小屋は大自然の中にある。フトンにヤマネが入ってくることもあるし、食材を狙ったノネズミとの戦い。冬の間にテンやクマが小屋に入り込み、片っぱしから食料を漁っていくこともある。人の食材の味を覚えてしまったクマはヒトとは共存できない運命。

美しい自然を描く一方で時に悲しい事故もある。時に捜索に時間を要する山岳遭難。なぜか親族や親しい人が探すと出てくることがあるという。
薬師岳では1963年にサンパチ豪雪で愛知大山岳部学生13名全員が死亡した大量遭難があったという。

本書は何よりもイラストが魅力。筆者が惚れ込んだ土地を描くだけあって魅力的なイラストが満載。
よほどの山好きな人以外なかなか行けない小屋ではあるが、山の魅力を余す所なく伝えた楽しい1冊。読めば山に行きたくなること間違いなしです。

0
2020年05月16日

Posted by ブクログ

黒部ダムで有名な黒部源流に位置する山小屋・薬師沢小屋。そこで1年のうち3ヶ月余り山小屋を運営するスタッフとし従事する著者の体験と自然との関わり、山の厳しさの現実、動植物たちとの関係などが綴られている。山小屋での生活は憧れるが、なかなかどうしてタフさと逞しさ、体力と機転も不可欠かと感じた。イワナやヤマネとの日常的な接触は羨ましい。美大で油絵を専攻されていただけあって、随所に描かれている挿絵は、素晴らしい。

0
2020年03月16日

Posted by ブクログ

山小屋でお世話される方はどんな大変さがあるのだろう。
と、好奇心から読み始めた。
イラストが可愛くて、ほのぼのしていて、
実は過酷なお仕事なのに、
とても楽しんで仕事されているのが
伝わってきて、
読みながら顔がほころんだ。

また、自然をその中に生きる命を
とても尊び、愛されていることも
ひしひしと感じられて、
暖かい気持ちになり、
とても大切なことを教えられた想いになった。

やまとけいこさん、大ファンになった。
ぜひ、続編も読んで見たい。

0
2019年08月25日

Posted by ブクログ

山小屋での暮らしが描かれたエッセイ。
山という環境ならではのエピソードや、裏話がたくさん載ってて面白かった。

荷揚げのヘリの荷物を猛スピードで運ぶ話や、
かわいくておっちょこちょいなヤマネの話

まだ実は行ったことないエリアなので、
ぜひ訪ねたくなりました。

0
2025年06月21日

Posted by ブクログ

薬師沢小屋でスタッフとして働いている様子や裏事情などわかりおもしろかったです。著者名のやまとけいこって冗談でつけているものと思ったら本名なんですね(漢字ですが)。

0
2025年01月08日

Posted by ブクログ

黒部源流の山小屋の、小屋開けから小屋閉めまでの日々を、
ほのぼのとしたイラストと共に描く、エッセイ。
・黒部源流概念図 ・薬師沢小屋見取り図
・はじめに
第一章 黒部源流のこと  第二章 薬師沢小屋開け
第三章 ハイシーズン到来 第四章 秋の源流と小屋閉め
・おわりに 参考文献有り。
著者によるイラストや写真多数掲載。

山小屋での暮らしは旅のようだと働く著者の日々。
小屋番、中期・長期の従業員の仕事と日常、ハイシーズン。
水、電気と電波、食事、布団、登山道整備など。
動物たちとの攻防戦は、特にクマとネズミが凄まじい。
経営者のバックアップや常連さん、居候の助力に感謝。
ヘリでの物資輸送やバイオトイレは現代の姿だなぁ。
そして自然の壮大さと気まぐれの激しさ。
山小屋で働く人たちの仕事に興味を持っての読書です。
言わば裏方さんたちの、大変さが伝わってきますが、
著者にとっては世界で一番好きな場所なのですね。
なんたって12回も働きに行っているんだもの。
イワナやヤマネの話、遭難事故と山岳救助隊など、
黒部源流という場所の様々な事が盛り沢山で良かったです。

0
2024年03月12日

Posted by ブクログ

イラストや漫画、文章が合わさったエッセイ。
北アルプスの黒部川側にある薬師沢小屋で働く著者。
そこには様々な人がやってきて色々なことが起こる。
そして何よりも大自然。
「旅に出ずとも旅がやってくる」その場所での暮らしとは。
自宅でGと闘うよりはるかに大変なようにも思えるが、それを上回る素晴らしさがあるのだろう。
ヨーグルトで溺れたヤマネがしばらくお腹を下していたというのが面白い。
自然は偉大で脅威。季節限定であってもそこで暮らせるのがすごい。
自分は行けないと思うからこそ、その様子が想像できる本は楽しい。

0
2022年10月10日

Posted by ブクログ

山小屋で働きお客さんの対応をする仕事の苦労話がメイン。写真や挿絵が有りイメージしやすい。特に熊やネズミの様な動物の話は面白かった。

0
2022年06月08日

Posted by ブクログ

自然のことに興味を持ちはじめて何となく読んでみましたが、山小屋経営はこんなことをしているんだとはじめて知ることばかりで面白かったです!
本格的な山登りはしたことないのですが、山荘に泊まってみたくなりました。
ヤマネの話が可愛かった…

0
2022年05月17日

Posted by ブクログ

かわいいイラストと軽快な文章で、あっという間に読めました。
お食事が美味しそうで、山小屋に行ってみたくなった。

0
2022年03月28日

Posted by ブクログ

空前の山登りマイブームによって、読む本も続けて山関係に(笑)こちらは、山小屋で働く従業員の目線で、山小屋の開け~閉め、そして期間中の仕事のめまぐるしさ、自然とのふれあいなどなど、柔らかでユーモアのあるタッチで描かれていてほっこり読めた。そして、一度目指して最後までたどり着けなかった雲ノ平のことがたくさん書かれていて、今度こそ行きたいな~とまたうずうず。

0
2020年10月24日

Posted by ブクログ

ほのぼのとしたタッチの表紙に惹かれて購入。
文体やイラストもほのぼの癒し系なのだが、色々と、結構ハードな事も書かれている。
でも単純に怖いだけではない。筆者は山が、山小屋の仕事が本当に大好きなんだろうな、と思わせる。
苦労も笑い話に変えるのも筆者の人柄か。
これを読んで山に憧れる人も出てくるだろうな。自分もその一人。
典型的なインドア派の自分と登山は簡単には結び付かないが。
楽しく手軽に旅気分になれる一冊。

0
2020年09月24日

Posted by ブクログ

充実していて、そして人生を楽しんでいます。
イワナたちも、ヤマネさんもみなさんが一緒です。
「神様たちの遊ぶ庭」のあとに、これだ、と思って勢いで読みました。
自然に囲まれた暮らしに憧れます。
イラストがほのぼのしていて癒されます。

0
2020年05月13日

Posted by ブクログ

山小屋でのバイト、楽しそう。自然の中での暮らしは、雑音がなく、人間素になれる。自分の良さも悪さも露わになる。楽しい日常が垣間見れる。

0
2019年11月03日

Posted by ブクログ

最近は山に関する本ばかり読んでいるが、なかなか山小屋暮らしも大変そう。なんとかならない、ではなく自分たちでなんとかしないといけない世界。私はとても山小屋では働けなさそうだ。

0
2025年05月13日

Posted by ブクログ

水晶小屋で読み始め、下山してから読み終えた。山小屋とそこで働く人と取り巻く自然や登山観光業がよくわかる、面白く、初めて知ることも多い本だった。
ヘリポートや、太郎平小屋間の橋を毎シーズン架けてはしまっていることに驚くとともに、ありがたいな心底感謝した。釣りとは無縁だが、釣りという行為だけとっても、あの山域ではかなり濃密な体験ができるのだろうなと感心。小屋アルバイトに憧れる、もう少し若い時にこの世界を知っていたらなと思う。また訪れたい山域。

0
2025年01月22日

Posted by ブクログ

本書は、最近ヤマケイ文庫になったが、その際に一章追加されたらしい。
こちらは旧版。

山を好きのイラストレーターが、黒部源流部の山小屋で働く暮らしを、イラストとエッセイで綴る。
山に詳しい方ならこの場所の厳しさについて言及できるのだろうが、私が読み取れるのは、厳しくも美しい山小屋で過ごす濃密な時間。
私が山をやる人だったら、本書を読んだら彼女に会いに薬師寺小屋まで出かけていたかもしれない。

作者の名前は大和景子さん。
一文字足したら「やまとけいこ く」だななんてことを思った。

0
2024年02月27日

Posted by ブクログ

自分で山小屋を立てて暮らす。そんなたくましい話かと期待して読みだして『なんだ、そうなのか』と。でもそこそこ面白かったです。読み終わって本を閉じるとき少し寂しさを感じました。勝手に勘違いしないで読んでいたらもっと評価したかもしれません。

0
2023年06月24日

Posted by ブクログ

黒部川源流といえば山深いエリアで魅力に溢れている。私も一度行ってみたいと思っているけどなかなか行く機会に恵まれず憧れている。
夏は薬師沢小屋とゆう山小屋で仕事して、冬は下界でイラストレーターをして暮らしているとか、なんとも羨ましくなるようなライフスタイル。
山小屋の仕事は大変そうだけど、ヤマネが鈍臭くって憎めない可愛いさがあるそうで見てみたい。

0
2023年02月13日

Posted by ブクログ

夏から秋の間だけ開く薬師沢小屋で働く著者は書く。「山小屋の暮らしはまるで旅のようだ。毎日、何が起こるかわからない。シーズンになれば、お客さんが入れ代わり立ち代わりやって来て、旅に出ずとも旅がやって来る、そんな感じだ。」
山小屋は自然に囲まれたのんびりした時間を味わえる場所ではあるが、働く人にとってはたくさんの登山客に忙殺され不便を工夫しながら狭い空間で少人数で過ごすところでもある。そこで必要とされるのは働く仲間とのささやかな積み重ねだという。
「自分のことよりも相手のことをまず考える気持ち。それを当たり前だと慣れてしまわない、ありがとう、という感謝の気持ち。人の悪口をいわないこと。朝の「おはよう」の挨拶。みんなでおいしいね、と一緒にご飯を食べる幸せ。」
自然の美しさと厳しさの中で多忙な夏を乗り越えて秋の終わりを迎える。濃密な時間を過ごしたのちに今年も小屋を閉めて山を降りる。そのときのさびしさと清々しさに想いを馳せた。

0
2022年01月13日

Posted by ブクログ

202105/山小屋での働き・暮らしを綴ったエッセイ。イラストレーターである著者による随所のイラストも味がある絵柄で良い。登山しないし自分には無縁の場所だけどとても面白かった。こうして働く人達によって支えられているけど自分が知らないことはまだまだたくさんあるんだな~。

0
2021年06月08日

Posted by ブクログ

山小屋で10年近く夏のアルバイトをしている方が、イラストと共に山小屋の苦労を書かれている。

山小屋を開く時の作業や、山小屋に侵入してくる動物との知恵比べ、伝説となったシルバーウィークのお客さんの殺到など、知らない苦労がたくさんあって面白かった。

0
2020年10月04日

Posted by ブクログ

普段は東京で暮らしている著者が秋?にだけ山小屋で自然とともに生きる物語。

表紙からは自然と調和して爽やかな暮らしを送るって感じかなーと予想したが、実際は自然と競合しながらたくましい暮らしを送る話だった。


食べ物が他の動物に食べられるなど、山ならではのエピソードが満載。自然に左右されながら柔軟に楽しむ様子が書かれている。人は便利さを求めて物質的な社会を作ってきたけれど、便利でないことが生み出す幸せもあるのかなぁと思った。

0
2020年05月10日

Posted by ブクログ

薬師沢小屋、休憩で立ち寄ったことがあるのでトイレやテラス、吊り橋を思い出しなごら読んだ。山小屋の裏側、いつも、どんなだろうと思ってたので面白かったしやはりそれなりに過酷。

0
2019年12月29日

Posted by ブクログ

タイトルのとおり、富山県の北アルプスにある黒部川源流の山小屋についてのエッセイです。
自然がいっぱい山小屋での生活を綴っていますが、美しくも厳しい自然いっぱいの出来事がたくさん語られています。
挿絵は写真などをみながら読んでいると、ゆったりとした自然を味わいに訪れたくなります。
ただ、やはり厳しい自然。気軽に訪れるには、初心者には厳しいところです。
あと、お風呂も入れないし、トイレも自然な感じ(バイオトイレとのこと)で、すこし潔癖気味な自分には厳しいかな・・

0
2019年10月29日

「スポーツ・アウトドア」ランキング