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Posted by ブクログ
三部作の完結編。
“迷える青少年たちのホーム“の池に、ある日突然リニという少女が落ちてきた。
彼女は母親のスミを探しに、お菓子の国からやってきたのだという。
お菓子の国で横暴なケーキの女王と闘い勝利するはずだったスミが“この世界”で殺されてしまったため、スミが成し遂げたはずの出来事は失われ、リニも既に身体のあちこちが溶け始めていた。
リニとお菓子の国を元通りにするには、スミを“お菓子の国では死んでいない”ことにしなくてはならない。
そこで、“この世界”では既に埋葬されているスミの骨を手がかりにスミを蘇らせようと、第一作で活躍したケイド、クリストファー、そしてリニが落ちてきた時に居合わせた二人の少女の一行は、いくつもの異世界を巡る探索の旅に出る。
ナンセンスでファンタジックでSF的なパラドックス要素も詰め込んだ完結編。
三部作の中で、一番わかりやすく素直に楽しめる作品だった。前の二作を読んで慣れてきたせいと、今作の仲間たちは、それぞれまったく異なる世界に生きる相手を尊重出来るキャラクターだったからかも。
作品中のほとんどを死んでいた(!)スニが、最後に最高に強烈に輝いていた。
そうそう気軽に訪れることは許されないだろうけれど、いつかスニとナンシーも再会できるといいなぁ。