【感想・ネタバレ】青が破れるのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ボクサー志望の「おれ」(秋吉)、友人のハルオ、その彼女で難病のとう子、秋吉の不倫相手の夏澄、ボクサー仲間の梅生・・・。徐々に死に向かっていくのだけれど、独特なひらがなと漢字の混じり合いの文体に、柔らかさも感じました。そこが救いかも。
彼らのギリギリのところで生きている緊張感や精神の危うさを感じながら、こういう気持ちって身体的な経験でなくても精神的な経験として誰もが通っていく過程なのかもしれない。
とう子の「空たっかー」という一言が忘れられない。こういう作品好きです。

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2022年07月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

感覚と哲学的なものがうまく混じり合ったみたいな文章が、不思議で心地よかった。
「青が破れる」ではコーラでうがいをするシーンが印象的で、夏澄さんの存在がめちゃくちゃスパイシーだった。上手く言えないけれど、とにかくスパイシー。
「脱皮ボーイ」では、「なんてカワイイのかしら!」と場違いな感想に思わず笑ってしまった。全体的になんとなく綺麗だとは思えなかったが、それが愛おしく感じた。
「読書」が3作品のうち最後にあったことで読み終わった時の爽やかさが最高だった。

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2021年04月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

青が破れる
とうこさんの言っていることがあまり理解できなかった
というところにすごく共感した。
この小説についてはっきりとしたことはわからないけど、人に関心があるようで、人に関心がないようで、距離の測り方の曖昧さとか、そんな空気感が気になる
時間をおいて考えたい。好きな小説です。

脱皮ボーイ
やばい!全然違う!本当に同じ人が書いてんのか!

読書
こと恋愛における別離の感覚とか、夏の描写とか
すごく自分にとって身近で読んでいてキュッとなったし、温かくもなった。この話が1番好きかもしれない。青が破れるは悲しい。

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2023年05月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

“何かをかんじそうになったら、走るしかない”
衝動、動機はいろいろあるけど誰しも頭の中がぐちゃぐちゃになって、それでも何かしないといけない。
そんな瞬間があるなーということを読んでいて強く感じました。

主人公にあたる秋吉は些細なことまで”思考”してしまう、いわゆる考えすぎてしまう節があって行動できない、そんな自分が嫌になる。程度は違うけど自分にもたまにそんなことがあるなーと感情移入してしまいました。

対照ににするべきことを、するべきタイミングで行動に移せるハルオや梅生が秋吉と同じく羨ましい気持ちで眺めていたけど、小説のラストそんな2人にも抱えているものがあって、当たり前だけど誰しも大小の悩みや苦しみを持っていることに気付かされました。

ひらがなが多く使われていたりしていて、少し読みづらい印象もあったけど、それが敢えて人の心の難しさを小説という文章から伝えてくれていたのかなと読み終わってから思いました。

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2022年09月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「1R1分34秒」と同じくボクサー志望者が語り手。
なかなかよい中編。

ピザデリバリーを喰っちゃう有閑マダムとか、悪い意味で漫画的。
「serial experiments lain」を連想。奥さん米屋ですとかも。
また村上春樹も連想。つまり男性作家の悪い意味での女性幻想。
そして難病美女がタバコを吸って、というのも、また。

なのに、いいんだなあ。やはり、文体だなあ。
そして「人が関連するという事象」が、この小説においては、なんだか、いいんだなあ。
語り方が好きになるから、作者が好きになって可愛く見えてくる。この作風、得だなあ。

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2020年03月04日

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上手く表現できないけどすごく好きな作品でした。

尾崎世界観さんとの対談で
「読んでいて創造力が膨らむのは、曖昧さ、つまり隙間があるもの」と町屋さんは仰ってた。
まさにそんな作品。

登場人物、特に男女の関係性や人間性が、曖昧に書かれた上で3人は死という結末に至った。

「なんでハルオや夏澄さんは死んだんだろう?」、「とう子さんはどういう気持ちで最後を迎えたんだろう…」って創造できる隙間になっていると感じる。

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2024年02月11日

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