【感想・ネタバレ】編集者ぶたぶたのレビュー

あらすじ

小説家の礼一郎は、依頼をくれた編集者と初めて会う約束をした。待ち合わせの喫茶店に現れたのは、どう見ても小さなピンクの、ぶたのぬいぐるみ。これは夢だ、と思った礼一郎は、おもしろがって、ぬいぐるみに新作の構想を話し始めるが……(「長い夢」)。編集者・山崎ぶたぶたは、本や雑誌を作りながら、出会う人々にも、元気をくれるんだって。大ヒットシリーズ!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

目次
・書店まわりの日
・グルメライター志願
・長い夢
・文壇カフェへようこそ
・流されて

5作の短編が収録されているが、特に気になったのは『文壇カフェへようこそ』。
文壇カフェという設定もそそられるが、そこで展開されるのは上司との関係に悩む編集者の話。
もしかしてパワハラを受けているのだろうか、それともこのくらい普通のことなのだろうか。

ひとりで悩むから、考えがグルグルして答えが見つからない。
そんな人たちに、ゆっくり心を休める時間とちょっとした人脈をもたらす場所。
それがぶたぶたさんの経営する『文壇カフェ』。

悩みってひとりで抱えているうちはなかなか解決しない。
忙しそうな先輩に相談することもできず、愚痴を友達に言うほどの割り切りもできず、ひとり悶々としてる人、きっといると思う。
まあ、ぶたぶたさんのカフェなんてそんじょそこらにはないので、あきらめて友達に愚痴を言うとか、職場に仲間を作るとかすればいいよと言ってあげたい。
結局この話の語り手は、マウンティング上司に心をつぶされる前に会社を辞めて、ぶたぶたさんの知り合いのいる出版社に転職するのだけど。
みんながみんな成功できるわけじゃないからね。

もう一つ『流されて』。
若いときは親にすべてを決められて、自由になるために結婚したら、嫁ぎ先にも自由を与えられず、家族の求めるままに求められる存在でいたら、跡継ぎを生まないという理由で追い出された50代女性の話。

今時50代でここまで家に縛り付けられる人も少ないかもしれないけれど、少なくとも彼女の実家は私の実家と似てるなあと思いながら読んだ。

「自分のために生きる」
私が定年延長を望まず、すっぱり仕事を辞めようと思うのは、自分の時間がとても大切だから。
お金よりも。
もちろん家族のことを無視するわけではなく、自分のペースで生きたいな、と。

それでも今まで流されてきた分を取り返す!という気負いは次の台詞で消えた。
「流されるのがダメなんじゃなくて、その流れを信頼できるかどうかが大切」

流されながらも、結婚後の人生は自分の選択の結果であると思っている。
だからこの話の語り手にも、思うままに自分を生きてほしいと思った。

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2023年05月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

泣いたわ。おきまりの感想(笑)頑張ってる人を描くのがうまいなあ。とっても応援したくなって、自分も頑張ろうってなるんだよなー。

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2022年03月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

今回も面白かったです!
文壇カフェあったら行ってみたいなぁ
追い詰められてるとよくわからないけど、客観的に見つめるとこの状況おかしいって気づけることってあるよなぁ
ぶたぶたさんに悩み聞いてもらいたい…

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2020年11月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ぶたぶたさんも、もうそんな長いシリーズになっているのか、と後書きを読んで驚きました。そりゃぶたぶたさんだもの、編集者になっても優秀に違いない。柔らかな口調と雰囲気?で相手の魅力をを引き出し、素敵な本を読者に届けてくれるに違いない。文壇カフェでは元編集者だったけれど、やっぱりお客さんの軌道修正をちゃんとやってのける。相変わらずの万能っぷりでした。ぬいぐるみだから、きっと心許せる事もあると多いんだろうな。苦労も恐怖も多いだろうけど、ぶたぶたさんに会ってみたい、から「なってみたい」って思ってしまう読後でした。

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2019年02月24日

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