【感想・ネタバレ】種の起源のレビュー

あらすじ

26歳のユ・ジンは目覚めると、自宅で母の死体を発見した。時々記憶障害が起こる彼は前夜のことを何も覚えていない。事件、そして自分と家族の間の真実を明らかにするため、3日間の激しい捜索が始まる。心と記憶の謎、母子の関係を探求するサイコ・スリラー!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

一人の人間の中に芽生える悪。それが育ったあとの狂気。人を殺しながらもどこか現実感の薄いこと。淡々と実行しているような感情の動き。静けさの中にある意識と無意識を行ったり来たりするような心。誰にでも悪の種はあるのか。記憶の奥深くに沈んでいた本当のこと。日常の中に存在して身近にあるような怖さを感じた。韓国ミステリーがこれからもどんどん読めるようになると嬉しい。

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2019年03月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ハン・ユジンの悪の種はこうして育っていった。よく練られた、サイコミステリ。
重い軽いはあっても心に善と悪のふたつを持っているのが人間だろう。物心ついた時にはそれが混然一体になった人間性が出来上がっている。生きるために。
それは一面、他人を理解し人生の深みを感じ取る大きな要素になっていると思う。
その二つがよりよく折り合っているなら人としてなんの不具合もない。

主人公のハン・ユジンの中では病的に偏った悪の芽が育っていった、残虐に。自分に都合が悪い人間を消していく。本来なら愛情に包まれ暖かい暮らしを作り上げるつながりが、冷めたまま、自己保身の殺人に向かう。

仲のいい聡明な兄弟のいる家庭。だがストーリーの始まりですでに父と兄は事故死している。

弟のユジンは寡黙で伯母の心理医師が処方した薬を服用している。持病があり常に激しい頭痛や幻覚に悩まされている。
母は残ったユジンを見守り世話を焼く。ユジンはそれを締め付けだと感じ解放されたいと思っている。

試しに薬をやめてみると、新しい幻覚を見るが、一方で解放された自由な時間を生きていることを発見する。
母から薬から、宿業からの解放は、ユジンに新しい世界を見せた。
ただ副作用でその時間の記憶が無くなる時がある。

物語はそういったユジンの開放感が悪の泥沼に沈んでいく様子が生々しく、それにかかわる母や叔母や兄の代わりに養子になったヘジンを邪魔にして消していく様子が緊迫感を増す、ユジンの病的な心はどこに行くのか。
作者の組み立てたストーリーの流れが徐々に危険をはらんで進んでいく。



なにか雰囲気の違う朝、ドアを開けた途端、血だまりを見て目を覚ます、残酷極まりない幕開けから、ユジンの消えた記憶を徐々に掘り起こしていく。母を殺したのは自分なのか。

かすかに震える母の声が聞こえてきた。
(おまえは……)
(ユジン、おまえは……)
(この世に生きていてはならない人間よ)

途方に暮れた。何に、どこから手を付けていいのかさっぱりだった。何かをすること自体、とてつもなく恐ろしかった。
この世には、目をそらしたり拒んだりしてもどうしようもないものがある。この世に生まれたことがそれであり、誰かの子であることがそれであり、すでに起きてしまったことがそれだ。
そうかといって、自分の最後の主権だけは取り戻したい。このふざけた状況がどんな終わり方になろうと、自分の人生は自分で決定したい。そのためには、どんな手を使ってでも、闇の中に閉じ込められた二時間半をぼくの前にひっぱりだすのだ。


彼は自分を肯定する。恵まれた家庭だったはずが自分を監視する母の檻だったと。

時間と共に明らかになるユジンの病的な精神は、母の日記から過去の出来事を知り、真実の自分の心に踏み込んでいく。


物語の構成が面白い。恵まれた暖かい家庭が崩壊し、残った母子の関係が緊迫度を増していく。ユジンが過去を知る手掛かりになる母のノートが効果的に挿入され、冷たく縛り付けていた母の愛も、既に手遅れの形で少しずつ過去が拓けていくのも興味深い。

まだ事件も事故も起こらない長閑な家庭の風景の中で、悪と罪が芽ぐみつつあった出来事も効果的で、そう来たかとただのミステリでない種明かしもよくできていた。
韓国女性作家、素晴らしい、恐るべし。

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2026年02月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

サイコパスの内面を主観で描くというやり方は、貴志祐介さんの『悪の教典』に近い感じですね。
しかし、こちらの方が、なぜこんな「怪物」が生まれたのか、という部分を掘り下げて描いているので、読んだ後の後味の悪さは少ないかもしれません。
ヘジンは可哀そうだけど。

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2020年05月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

韓国ミステリ?
初めてなんだけどどうだろう、と手に取ったら、最上位のサイコパスを一人称で味わえるというすごい趣向のエンタメでした。
最近のミステリは犯人がサイコパスばっかりで食傷気味…とか言ってたら、これならどうだ‼︎とバーンとやられた感があります。
読むのを止められませんでした。

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2019年03月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

母の日記以外はユジン(主人公)目線で進んでいく。解説にもあるように、内側から主人公の気持ちを知り、行動を共にしていく。共感できないからとても怖い。すべて誤解だったというどんでん返しはないかと次々読み進める。だが読めば読むほど絶望的。その絶望的な最悪具合がただただシビアで、そのことを淡々と語る主人公に戦慄がはしる。
そういう意味でサイコホラーである。

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2019年02月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

血の臭いで目覚めるとそこには母の死体があり…というサイコサスペンス。

舞台はほぼずっと家とその周辺だけで、登場人物も身内だけ。
目覚めたとき前夜の記憶がなく、なぜこんなことになってしまったのか過去を振り返りながら徐々に真相が明らかになっていく…というような展開。

もっとアッといわせる展開かと思っていたけど、序盤からこうなるのでは?と想定していた展開とラストだったのでちょっと肩透かしをくらったような気にはなった。
部分部分で手に汗握る展開にはなるけどすこし薄かったように思う。

派手なハラハラドキドキを求めるている人より、サイコパスの思考に添って淡々と読み進めるのが好きな人に向いてる話かも。
最後のあたりは『太陽がいっぱい』をなんとなく思い出した。

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2022年03月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ミステリーの中にサスペンス要素が入った感じの内容かな…?最初は冤罪をはらす内容かと思いきや、主人公のサイコパスなところが現れていって怖かった。ページをめくるたびにゾクゾクする感じ。本で体験できる醍醐味!ただ表現がまわりくどいから前半で心折れそうになった…笑 

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2021年12月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ある朝、ユジンは血の匂いで目覚める。また発作が起きたのか。気がつけば、血塗れの自分と母の遺体。昨晩、一体なにがあったのか。発作により記憶をなくすことがあるユジンは、真実にたどり着けるのか。

いつだかの七福神で紹介されていたもの。目覚めしサイコパスといいますか、なんと言いますか。
ちょっとメメント風でもあり、なかなか映像向きな感じもしました。と思ったら、漫画化されているみたいです。

全体としては、記憶が甦るにつれ、自分の異常性に自覚的になって行く感じが面白くもあり、残酷でもあり。
ヘジンに対する特別な感情を随所にのぞかせつつも、どっちをとるかって言ったら当然自分だよね!ってためらいないとことか、完全にサイコパスとして覚醒してて、うーん、恐るべし、てなりました。

なお、伯母さんに「ユミン」て言われたところだけがよくわからなかったんですが、「ユミンを殺したのもあんただったのね」ですかね。

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2020年02月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

怖いと評判だったので読んでみたけど怖くない…( ´_ゝ`)
まわりくどい情景描写に途中眠ってしまった。。
幼い頃にすでにサイコパスと診断されてしまっていることに違和感。
韓国作家は初めてだけと、まぁまぁといった感じ。

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2019年03月26日

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