【感想・ネタバレ】人工知能はなぜ椅子に座れないのか―情報化社会における「知」と「生命」―(新潮選書)のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

噛み応えのある良書。
この内容を、30代半ばで書けるなんてすごい!
しかも、ソフトで分かりやすい。

ドラえもんの月面探査で描かれた「人工知能」との関係が、少し理解できた。

―いわゆる「人工知能」には、強い人工知能と弱い人工知能がある。前者は、自律的に学び、高度に知能や意識を駆使するもの。後者は、まぁ、人間にプログラミングされたことだけを行う、高速コンピューターみたいなもの。
―人間のコミュニケーションは、音声を単なる記号として捉えるだけではなく、文脈(相手の意図)の理解も合わせて理解する。それは極めて高度なやりとりで、実は機械にやらせるのは難しい。
―細胞レベルでも、実は中央集権ではなく、それぞれの細胞が自律的に動いていたりする。
―物理学は、一定のリズム(法則)を見出す学問。一方の生物学は、物理学の法則を用いては説明できない、細胞レベルの最適解?生命の自律的な動き?を見つけるもの。
―人工知能も、脳の動きに模して造られているだけで、脳の仕組みそのものが解明され、それが用いられているわけではない…

The best way to predict the future is to invent it.


理解が間違ってそうなものもたくさんあるけど^^;理解がまだ追いつかないが。人工知能に支配される…というようなSF的な言説を冷静に考え、人工知能とうまく付き合っていくリテラシー向上に、ぜひこの本をおすすめ。

人工知能だけではなく、日常生活でScienceと向き合う視点を持つための良書。

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2019年05月09日

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