あらすじ
実業家・堂林の所有馬が次々と故障。競馬記者の小林が疑惑を追う中、堂林の馬ジェメロがデビューを迎える。小林が魅了されるほどの素質馬だが、惨敗した上に故障も判明。そんな折、先輩記者の沢村が謎の死を遂げ、小林自身も危険を感じるようになる。競馬界で何が起こっているのか。誰を信じればよいのか。北の大地で小林が見た真実とは!? 現実を超えるリアリズム、これが21世紀の競馬ミステリー。
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Posted by ブクログ
島田明宏さんって、ナンバーとかnetkeibaのコラムのほうでお馴染みだが、作家なんだな。
ある馬主の馬ばかりがレース中に故障することに不自然さを覚えた競馬記者・小林。
その馬主の周辺を洗う内に、他にも疑惑が浮かんだり、命を脅かされそうになったり…。
競馬サークルについては熟知している作者ゆえ、語られる背景に間違いはなく、そうした意味での安心感はあり。
長く競馬をやっているが「ボーンシスト」とか「個体識別に使うマイクロチップ」のことなどあまり知らなかったこともあり。
ただ、ミステリーとしての展開はなんか焦点がぼやけてまだるっこしく、読み終わってしまえば疑わしいと思わす小ネタを撒いてたばかりという感じも無きにしも非ず。
競馬の話なので面白くスイスイと読めたけど、競馬ファンでない人が読んだらどうなんだろう(とは言え、手に取っている人の大半は競馬ファンだろうから、まあいいのか)。
高橋源一郎さんの帯のフレーズはちょっと盛り過ぎだけど、解説の文章には相変わらず惹きつけられる。