あらすじ
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「人を眠りに誘う黄金色のハーブ」、「伝説の魔法の果実」、「悲鳴をあげる怪しい植物」、「異界への道を清める聖なる草」。
魔女が大切にする植物全50種。
魔女の暮らしに欠かすことのできない植物を、四季を通した魔女の庭や裏の森、原野を通して紹介。
野草や樹木はもちろん、園芸品種まで、魔女が暮らしに役立てる植物を美しい著者のイラストレーションとともに知ることができます。
はじめに
魔女と植物
■Part1 魔女の庭
魔女の庭 春夏編
冬にたまった毒を抜くハーブ
カモミール/ダンデライオン/フェンネル
愛をもたらすときめきの花
ローズ/マートル
生命と肉体に活力を与えるハーブ
ウッドラフ/コーンサラダ
生活に役立つハーブ
ソープワート/ペニーロイヤル/ルー
パワーを上げる夏至のハーブ
マリーゴールド/ディル/マグワート
column 魔女と動物 庭編 相棒でもある黒き生き物たち
魔女の庭 秋冬編
異界との境界にある植物
バーベイン/アップル
秋のメランコリーを吹き飛ばすハーブ
セントジョンズワート/マジョラム/ボリジ
魔女の正月サーオインの夜に
マーレイン/ターニップ/ブルーム
冬の体力づくりに役立つハーブ
ローズヒップ/ブロードビーン
毒をもつ可憐な花の植物
マンドレイク/クリスマスローズ/ベラドンナ
庭の住人たち ミツバチ/カエル
魔女の庭の裏話 前編
■Part2 魔女の森&原野
魔女の森&原野 春夏編
再生の樹木
バーチ/アシュ
不思議の世界にいざなう樹木
ウィロー/オルダー/ポプラ
生命と愛の讃歌
リンデン/ビーチ/ホーソーン
春の原野の滋養草
ホーステール/ソレル
荒野の薬草
ファーン/プランティン/システル
column 魔女と動物 森&原野編 悪しきコウモリとウサギ
魔女の森&原野 秋冬編
異界への境界木
ユウ/アイビー/ポムグラネイト
知恵と魔法の秘密を知る木
オーク/ヘーゼル
森が育む彩り
フィグ/ブラックベリー/マッシュルーム
不死身の霊木
ミスルトー/ホリー
豊かな実りの魔女の木
ローアン/エルダー/ブラックソーン
森&原野の住人たち 竜/妖精
魔女の庭の裏話 後編
おまけに 魔女の園芸術
参考文献
INDEX
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
薬草などに関するざっくりとした解説と魔女についての言い伝えに関する情報。栽培というよりは、森の中や野原で採取してくるもののイメージ。
挿絵が美しく、眺めて楽しめる。
実用的というよりは空想して楽しむ本。
Posted by ブクログ
実用性よりも、魔女に関係しそうなハーブや樹木に関する伝承・物語にスポットを当てている。
読み物として面白い。
読んでいるとハーブティーが飲みたくなって来た。
Posted by ブクログ
@westmountainbooksさんが前に紹介していて気になっていた本。
魔女に関わる四季の植物をイラストや言い伝えとともに紹介する。
イラストがオシャレすぎて実際の花や木、効用が頭に入ってこないので実用性には欠けますが、ヤナギがヨーロッパでは異世界の境界に立つ木と考えられているなど、ケルトや北欧神話が興味深かったです。
魔女と呼ばれたのは薬草をつかさどる自然療法師だったのではという話、冬は庭を妖精や精霊にたくす、北欧神話のブルシンガメンの首飾りなども気になりました。
魔女人形に興味があるので横浜の『グリーンサム』にはいつか行ってみたい。
以下、引用。
ジュール・ミシュレ『魔女』
9
歴史をたどってみると、魔女と呼ばれた女たちは、どうやら薬草に長けた「賢い女」、つまり薬剤師のような民間療法師だったようです。
19世紀フランスの歴史家ミシュレは『魔女』の冒頭に、「自然が彼女たちを魔女にした」と著しています。
11
ドイツでは魔女のことをHEXEと呼びます。古代ドイツ語で「垣根の上の人」という意味があります。垣根は“あちら”と“こちら”を隔てる境目、つまり「生と死の境目に立つ人」という意味もあります。産婆であり、葬式女であり、薬草を扱う自然療養師だった魔女は、人々の生死に関わる存在だったのです。森は得体の知れぬ神秘の場所と信じられていた時代、自由に森を出入りする薬草採りの女は、不思議な力を備えた特別な人とみなされたにちがいありません。
47
これからの時期は、太陽の衰えとは反対に夜空の月は冴えわたり、夜のエネルギーは強まっていきます。魔女たちは内なる自分を見つめる季節の到来に、家のなかを清めて身のまわりを整え、悪習を断ち切り、自分自身を簡素にきれいに保つことを心がけます。これからの季節は光の時間は少なく、庭は休息期となります。反して闇の時間は多くなり、エネルギーは外よりもなかへ向かいます。
魔女は季節の周期に自らを調和させ、深く瞑想して自分自身の潜在的力や可能性を探求することに努めます。
冬の深い時期は、一時的に庭を妖精や精霊に預けます。
86
陰鬱な沼地などの湿地帯に根をおろすことから、死の世界と深い関わりがあり、ギリシャ神話では、黄泉の国の女王ポルセポネは聖なるヤナギの林をもっていて、魔女キルケーはヤナギが生えた墓地を川辺に所有し、黄泉の国の女王ヘカテーと月の魔法に捧げたと伝えられます。
成長するのも早ければ、枯渇するのも早い、すなわち、これから芽吹く生命と死にゆく生命の間に立つこの木を、古代ケルト人は異なる世界の際に立つ「境界木」とみなしました。
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北欧神話では、女神のなかで最も美しいとされるフレイアと4人の小人の話があります。フレイアは愛情深く、空と雲、青春と愛、戦い、そして魔法と死をつかさどる女神で、大神オーディンの妻ともいわれます。愛に焦がれる男女を優しく見守りますが、彼女自身も愛には自由で、4人の小人が作った世にも美しい首飾り「ブルシンガメン」を得るために小人ひとりひとりと夜をともにし、オーディンの怒りを買ったそうです。