あらすじ
NHK〈ラジオ深夜便〉の人気コーナー、ついに書籍化!
病気、事故、災害、あるいは、失恋、挫折、そして孤独……
人生における受け入れがたい現実に直面した時、人は絶望します。
古今東西の文豪たちもまた、例外ではありません。
絶望に行き当たり、絶望を見つめ、絶望の中で書き留められた珠玉の言葉たち。
本書では、そんな文豪たちの「絶望名言」から、
生きるためのヒントを探します。
[登場する文豪たち]
カフカ
ドストエフスキー
ゲーテ
太宰治
芥川龍之介
シェークスピア
[内容紹介]
『絶望名言』――おかしなタイトルですよね。
『希望名言』なら説明は不要ですが、
『絶望名言』だと
「なんでそんなものを?」と思う人が多いかもしれません。
でも、失恋したときには
失恋ソングにひたりたくなるように、絶望したときには、
絶望の言葉のほうが、心にしみることがあると思うんです。
私自身も、そういう体験をしました。
絶望したときに、救いとなったのは、
明るい言葉ではなく、
絶望の言葉でした。
(著者/本書「はじめに」より)
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Posted by ブクログ
大好きな本でもう何度読んだかわからない。
各作家の絶望名言と、その名言を掘り下げるために作家の生涯についての説明と、頭木さんと、川野さん、根田さんの人生経験や考察などどのパートも満足感が高い。
印象的だったのが、人生をあらすじで捉えるという言葉。
人生をあらすじで取りえてると、幸せそうに見えたり、不幸そうに見えるが、日々のあらすじに残らないような中にも幸せと絶望がある。
自分の人生に置き換えても納得感が高く印象的だった。
Posted by ブクログ
定期的に読んでいる頭木弘樹さん。これはNHKラジオ深夜便の『絶望名言』というコーナーの書籍化だそうだ。字も大きいし、対談形式で読みやすい。あっという間に読み終えちゃう。人生のあらすじだけみたら成功者のゲーテも細かく見ればいろいろ辛いこともあった、というところが一番印象的。ただただ嘆くばかりのカフカより、ゲーテはすごく人間ができている気がする。
Posted by ブクログ
見たことのなかった世界を見た。
絶望する境地は、普通は個人がたった独りで体験するもの。それを複数人で共有するという、新しいものの見方。
絶望は誰も体験することなのかもしれない。
その時はいつも独り。周りは暗闇の中。
なのにそこで語り合う。先人たちの残した言葉。
絶望の中でつぶやいた心の闇を絞り出す言葉に共感しつつ、語り合う世界。 初めてみた世界だった。今までに見た太宰も芥川も、みな独りで語っていた。それを個人で読者は味わっていた。
深夜便にも興味を持った。
Posted by ブクログ
絶望している時こそ絶望名言を、という考え方が健康的だなと思った。
特に好きだった名言は
「人間は昼と同じく、夜を必要としないだろうか。」(ゲーテ)
「あの人の弱さが、かえって私に生きて行こうという希望を与える。」(太宰治)