あらすじ
一流シェフ、ハラルの屋台オーナー、牡蠣の殻剥き職人、ダック農家、肉屋、セレブ専属ケータリング、卸商、企業雇われシェフ、ウエイトレス、パティシエ、寿司職人から刑務所の料理担当者まで……。
NYと食をつくる、働き者たちが人生を語る。
「ニューヨークの街には、その一口で多幸感いっぱいになれる味が詰まっている。それもこの10年くらいの間に『ニューヨークの味』はどんどんレベルをあげ、今もカフェ、レストランからファーマーズ・マーケットまで、あらゆる場所でアクセスできる食べ物の幅が広がっている。けれど、その幸せを与えてくれる一口の裏で、どれだけの努力がなされているのか、どれだけのドラマが起きているのか、知るチャンスはなかなかない。『NYの「食べる」を支える人々』は、そういったドラマの一端を見せてくれる本だ。これを読めば幸せの一口へのありがたみが一層増すはずだ。」
佐久間裕美子(ライター、『ヒップな生活革命』(朝日出版社)著者)
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Posted by ブクログ
NYの飲食業界で働く方々のインタビュー集。シェフだけでなく、肉加工、魚加工のプロフェッショナルの方のインタビューも入っています。全員が口を揃えて言っているのが、若いうちはプライベートを犠牲にして身を粉にして修行しないと大成できないということ。私も食にまつわる仕事に就いてはいますが、ここまでの情熱を持って仕事に取り組めたことはありません。ハングリーになれない私の特質もありますが、やはりNYという場所で一旗上げることの価値を得るために、皆さん努力されておられます。
そして、インタビューの端々に記載されているメニューの価格を読んで思うのが、物価の高さ。アメリカで普通にランチしようとしたら、チップ込みでランチでも最低20ドルくらいになってしまいます。日経平均がバブル後最高値をつけても景気回復を実感できない昨今ですが、ドル換算で株価や物価を考えるととても寂しい状態なのを改めて実感してしまいます。