【感想・ネタバレ】いつか深い穴に落ちるまでのレビュー

あらすじ

サラリーマン・鈴木、地上最強のリアリティ・ショーに挑む。人類は、地球に穴を貫けるのか?日本―ブラジル間・直線ルート開発計画が今、始まる。選考委員驚愕の第55回文藝賞受賞作。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

誰もが一度は思う、ブラジルまで穴を掘っていけるのかと。そのバカバカしさを真面目に小説にした本書だが、最後の最後までその冗談めかしたトーンは続く。だが、穴を掘っていく過程の所々に散りばめられる実話っぽい挿話や情報。それは戦時中の人間魚雷や戦後の南米からの日系人出稼ぎの話であったり、中国からの研修生やはたまた東日本震災後の実情であったりと、必ずしも明るい話題ではないのだが、これらが事実に裏打ちされているだけに、バカバカしさが度を越さずに現実の範疇にとどまっていそうに思わせてくれる。
それにしてもバカバカしいと思いながら読み進めさせてくれた愛すべき主人公の最後がこれって。いきなり虚無感に突き落とされた。ブラジルに行った主人公は、見事網でキャッチされる、もしくはリオ五輪に現れた安倍総理は本当に穴を通って行った、というバカ話路線をいって欲しかったのか、それともそこは現実的であって然るべきなのかわからない。とにかく、結末がとても悲しく脱力してしまった。

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2019年03月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

日本とブラジルの間に直線の穴を掘る事業に巻き込まれた男の話が淡々と続く。技術的な話はほとんどないけど、史実を織り交ぜているせいか、妙にリアリティがある。シュールなコメディ作品だと思う。

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2024年09月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

彼は上司に話を持ちかけた。我が国の大地に、ブラジルへと続く、底のない穴を空けましょう、と。
「なせ、そんな穴を?」
「だって、近道じゃありませんか」

戦後、闇市のやきとり屋で運輸省の官僚が思いついた、日本とブラジルを結ぶ穴を掘るという計画は、数十年の歳月を経てようやく着工されることになった。工事の請負企業に入社した鈴木一夫は、発案者の山本清晴についての取材、ポーランド人スパイとの接待温泉旅行、日本語通訳の香港人とのロマンス、外国人労働者との交流など、広報係として奔走する。そして三十数年後、ついに穴が開通する。鈴木は水着姿で穴に飛び込むのだった。

地球を貫く穴を掘るという事業を描いた、フィクション版プロジェクトX。地球の内部構造や掘削技術といったことには一切触れず、物語は淡々と進んでいく。とぼけたような味わいと、鈴木の真剣さにほんのりとした感動を覚える。

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2022年10月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「ブラジルの人聞こえますかー?」のリアルなやつ。
ストーリーとしては荒唐無稽でばかばかしいのだが、表現として読んで楽しい。

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2019年05月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

なんとも不思議な話。
日本からブラジルまで近道できるように穴を掘ろう、という荒唐無稽なお話なのだが、主人公の身の回りで起きることはとても淡々としていて、地味で、普通だ。
ありふれたゆったりとした日常の積み重ねの先に現れる「完成した穴に水着で飛び込む」という無茶なラスト。大真面目に若い頃の水着を身につけ飛び込み台に上がった鈴木は穴の中で何を思ったのだろうか。


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2022年02月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

鈴木はどんな思いで穴を通っていったのか、気になって仕方がない。せめて希望を持ち続けたままであったことを祈る。

仕事小説を読んでいていつも思うが、人生をかけて取り組む仕事を私自身していきたい

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2022年01月04日

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