【感想・ネタバレ】武士の起源を解きあかす ──混血する古代、創発される中世のレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年02月25日

日本固有の武士の成立過程をわかりやすく描いている。日本には武士が力を持っていた故に、元寇、大航海時代、幕末と、海外から征服される可能性があった危機を乗り越えることができた。その武士は、本書にあるように、王臣子孫と地方の郡司豪族層の統合から生まれた。必然ではなく、様々な条件がもたらした結果であった。で...続きを読むは、インカ帝国のような南米になくて、日本にあったものは何か。武士を生み出した源たるそれは、地方に軍団が割拠できるほどの生産性の高い豊かな土壌と、中国由来の思想や弓射術なのかもしれない。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年02月08日

<目次>
序章   武士の素性がわからない
第1章  武士成立論の手詰まり
第2章  武士と古代日本の弓馬の使い手
第3章  墾田永年私財法と地方の収奪競争
第4章  王臣家の爆発的増加と収奪競争の加速
第5章  群盗問題と天皇権威の転落
第6章  国司と郡司の下剋上
第7章  極大点を迎える地方社...続きを読む会の無政府状態~宇多・醍醐朝
第8章  王臣家子孫を武士化する古代地方豪族~婚姻関係の底力と桎梏
第9章  王臣子孫を武士化する武人輩出氏族~「将種」への品種改良
第10章  武士は統合する権力、仲裁する権力
第11章  武士の誕生と滝口武士~群盗問題が促した「武士」概念の創出

<内容>
かなり挑戦的な本である。武士の活躍は日本史に書かれるが、肝心の武士の起こりがあいまいなままごまかされていると。本書は、平安初期の王臣家の暴走とそこの治安を守り、国司の簒奪を避けたい郡司層、そこで地方で行きたい王臣家の子孫、国司の横暴を避けたい郡司層のつながりを呼び、武士のが生まれたとする。
大筋は従来の説と変わらないが、しっかりと証拠を上げて論破している点が素晴らしい。

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