あらすじ
ヨーロッパでもトップクラスのビジネススクールであるスペインのIE Business Schoolで教えられている内容を、世界に先駆けて刊行したものが本書である。
▼最先端のビジネススクールで教えられている「アート」の授業▼
Appleのスティーブ・ジョブズは、大学中退後もカリグラフィー(美術書道)の授業には通い続けた。
AirbnbやDropboxを世に送り出したベンチャーキャピタルY Combinatorのポール・グレアムは、イタリアで絵画を修めた。
Googleのデザインに革命を起こしYahooのCEOを務めたマリッサ・メイヤーはプロのアーティストだった母親からアートを学んだ。
合理性や技術の積み重ねだけでは、もはやモノが売れない。
ビジネスモデルが一夜にして崩れ、新しいライバルがふいに現れるいまの時代、「データ」や「合理的判断」だけに頼ることはできない。
だからこそ、いまビジネスに「アート」が必要なのだ。
「デザイン思考」は、デザイナーの考え方・視点をビジネスに取り入れる手法だ。
一方で本書は、個人と組織の双方の視点から、アーティストの考え方・視点をビジネスに取り入れる方法を教えてくれる。
本書はこうした内容を、世界に先駆けて翻訳。
「アーティストの視点をビジネスにどう取り入れるか」というテーマについて、世界のトレンドや実際の企業・プロジェクトでの実例を豊富に盛り込みつつ解説。
また日本向けに、日本人の文化的・経済的コンテクストにも合った内容や事例を加えて刊行する。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
アートとビジネスの関係を考察し、どうしたらアート思考が身につくかを考察した良書。ここ最近のビジネスとアートとの成功事例や、ルネサンス期の事例もあり、面白かった。昨今、SNSでアート的な写真は溢れど、じっくり観察する事はなく、身の周りの感動するアート的な事に、少し足を止めて観察し、アート感覚を磨きたいと思った。
Posted by ブクログ
直感、あるいは第六感は、失敗と成功を繰り返すことで身についていく70
創造性(企業の創造性を高める場作り)とアート。それは「リソース」の問題ではなく、「コミットメント」の問題である。「リソースではなくコミットメントの不足」週一でアートエクササイズを一時間やると代表がコミットメントすれば出来る138
顧客を理解するには、いまの世界に身を置くことが重要である。今日の分野について学び、さまざまなアイディアや、急速に広まる新しい考え方を理解したいと思うなら、アーティストと話をすればよい。アーティストは私たちを過去現在未来とつなぎ、ときには同時につなぐことさえ出来る。157
現代の教育は「質問」をするとこは厄介がられ「教科書に載っている正しい答え」を出す生徒が誉められるシステム。工場労働者や官僚を産み出すには最適なシステムだったが、これては新しい時代にふさわしい人材を育てられない191
アーティストの役割は答えることではなく、問うことだ191(アントンチェーホフ)
成功したアーティストはいつも、さまざまな素材、技術、スタイルを試している192
未来と同じように、過去もほぼ想像の産物と言える(ジェサミンウエスト)207
顧客と話もせず、顧客が何をかんじ、何を望み、何を欲してしるか、それを「知ってる」マネージャーのなんと多いことか217
光の館タレル221
朝のアイディアエクササイズ アイディアは最初の5,6個はすぐに出てくる。そこで止めてはいけない。9つめぐらいで脳はしっかり働き出す234
イノベーションをしたい企業は、アートを社会奉仕予算ではなく(社内、商品)イノベーション費に当てなければならない。またそこに専任リーダーをつける240
会社のデザイン部門をエンジニア部門の下につけるとアートの価値が著しく損なわれる。それは経営陣がデザイン(アート)を会社に不可欠な重要な要素ではなく、エンジニアリングの一部としか見ていないことを意味する241
経営陣は創造者(アーティストなど)にコミットメントしなければならい。正当に評価しなければならい。創造者は賃金報酬ではなく、認められ、正当に評価されることを望む。それが出来なければ辞表を提出する245
アートを対等なパートナーとしてビジネスの世界に引き入れるとどんなチャンスが生まれるだろう274
社員の中からアートに強い感心を持つ人物を選ぶ。それはアートとビジネスをつなぐ仲介者になってくれる265
Posted by ブクログ
教育分野においても現在注目されているアートが、なぜ今ビジネスリーダーが学んでいるのかを疑問に思い購入。
書いている内容は納得する部分が多く、特にアントレプレナーとアーティストは類似性が高いというのも腑に落ちる。
欧米や中国で先行しているビジネスを日本に取り入れた新規事業というものではなく、無から有を生み出す真の起業については、アート的な視点が必要であり、自分の周囲を眺めるのではなく見ることで、違った世界が見えてくるといった、当然ではあるが実践できていない様な内容にも触れている。ビジネスパーソンであれば思考法の整理の点でも読む方が良い。
Posted by ブクログ
原題は「ルネッサンス思考のルネッサンス」(Renaissance of Renaissance Tthinking~A new paradigm in management~)
当時のように複数の知見を持つことの大切さがまず説かれ、その上で、現代では、その中でも「アート」が重要であることが繰り返し述べられている。
なぜアートが重要なのか。観察すること、質問すること、想像することなど、MBA的な手法で軽んじられてしまった点をあげ、それがビジネス、特にイノベーション(ゼロからイチを生み出す)際に有用かが指摘されている。
後半には、アーティスト性を4つのスキルに分析した上で、どのように習得すればいいかも書いてあり、非常に参考になる。
Posted by ブクログ
Less is more.
少ないほど豊かである。
初期のMacの本体ケースを開けたら開発チーム全員のサインが入っているらしい。スティーブ・ジョブズが本物のアーティストは作品にサインをするからって。粋すぎる。
Posted by ブクログ
結局、ビジネスリーダーや起業家がアートと親和性があるのがわかっても、無理やりアート勉強しようという気にはならず、あまり自身のためになるような本ではなかった。
Posted by ブクログ
アーティストと起業家、右脳派と左脳派、どちらも兼ね備えている可能性、どちらでもあるケースはないようにみられがちだが、これを実例にてあり得ることを説明している。また、両者は実際には似ており、物事を成し遂げると追う事に対するコミットメントやアクなき探究心、実行・行動力において優れているといった内容と理解した。すごく印象に残ると追うことでは無かったが、気を楽に流し読みするための読み物という感じだろうか。