あらすじ
いつの頃からか「ボロ宿」に憧れ、わざわざ訪ねて旅をするようになっていました。
消えゆくものへの郷愁でしょうか。
10年、20年前ならもっと数多く残っていたかも知れません。
それでもいまなら多くの貴重な宿が残っていると信じて訪ね歩いています。
記録に残していくこともいずれ何かの役に立たないかなと…。
懐かしの人情宿でホッコリしよう
「ライブドア・ブログ」奨学金受給ブログ、待望の文庫化。
「ボロ宿」というのは決して悪口ではありません。
歴史的価値のある古い宿から単なる安い宿まで全部ひっくるめ、愛情を込めて「ボロ宿」と呼んでいます。
自分なりに気に入った、魅力ある宿ということなのです。
できるだけ安く旅行をしたいということから行きついた結果ではありますが、
なるべく昔の形を保って営業している個性的な宿を応援していきたいと思います。
湯治宿や商人宿、駅前旅館など、郷愁を誘う宿をできるだけ訪ねて、
記録に残していくことも、いずれ何かの役に立たないかなと……。
★本書「著者の言葉」より引用)
■目次
第1章 昔の姿を残す青森の湯治宿
第2章 花巻のお馴染み宿から、遠野へ
第3章 北関東の温泉宿と利根川べりの宿
第4章 つげ義春ゆかりの宿を訪ねて西伊豆へ
第5章 忍者の里をさまよい歩く
第6章 伊勢から鳥羽へ歴史を訪ねる旅
第7章 四国から瀬戸内を渡って尾道へ
第8章 鳥取の限界集落と出雲への旅
第9章 熊本の日奈久温泉から鹿児島へ
■著者 上明戸聡
1960年青森県十和田市生まれ。フリーライター。
ビジネス系専門誌を中心に、お固い分野の執筆活動中。
そのかたわら、貧乏くさいもの、古いものが好きな偏屈な性格がわざわいして、いつの頃からかボロ宿に惹かれて各地を回り続ける。
旅のリポートを内容とするブログ「日本ボロ宿紀行」が、2010年から開始された「ライブドア・ブログ奨学金」の受給者に選ばれたことがきっかけで、2011年にブログが書籍化される。
2017年には「日本ボロ宿紀行」が文庫化されブームが再燃。
朝日・毎日など新聞各紙で大きく紹介され、バラエティ番組などへの出演も多数。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
単行本の時から読みたいと思っていた本。この度、文庫化されたので購入。どれもが東日本大震災や熊本地震の起きる前に訪れた宿を紹介している。ボロ宿は、単独行だからこそ当り外れも自己責任で楽しめるものだ。明治、大正、そして昭和の宿でさえ廃業の憂き目にあっているものが多く、貴重な紀行文になると思われる。
Posted by ブクログ
上明戸聡(かみあきと あきら)著「日本ボロ宿紀行」、2017.7発行。このタイトルは誤解を与えると思いますw。著者はボロ宿と称してますがとんでもないです。長い風雪に耐えてきた趣きのある(古いw)宿の紹介です。昭和の時代には日本各地に沢山残っていた記憶があります。平成、令和、いつまでも続いて欲しいと思っています。郷愁を感じさせるとともに、落ち着いた魅力を醸し出しています。明治の遊郭が転業した八戸の「新むつ旅館」、湯治宿そのまま花巻の「藤三旅館」、民話の町レトロモダンな遠野の「福山荘」など。
Posted by ブクログ
初っ端が地元の宿。
子供の頃から外見は見たことはあったが中がこんなに豪華だったとは知らなかった。
建物には歴史があるとしみじみ思った。
筆者の丁寧な言葉遣いも良かった。