あらすじ
ある集団のなかでみんなの意思がうまく反映された決定を下すには、どうすればいいだろうか。特に、各人の考えがバラバラで、にもかかわらずそれらを集約して一つの判断を下さなければいけないとき、望ましいきめ方とはどんなものだろうか。これを探究するのが社会的決定理論という分野である。様々な投票方式が生み出す矛盾から、アローの一般可能性定理、さらにはセンの自由主義のパラドックスやゲーム理論まで、この理論が含みもつ広範な内容をかみ砕いて丁寧に解説。社会的決定における「公正さ」「倫理性」とはどのようなものか検討する。最良の入門書として長年親しまれてきた比類なき名著。
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Posted by ブクログ
NSGA-Ⅱを使った多目的最適化をやっていて、かつ最近ではDeepLearningにもかぶれているという事もあり、非常に楽しく読めました♪
前半部分については、目的関数が複数ある命題に対してどうやってただ一つの最適解を定義するかについて記述されており、最適化に関するテクニックではない歴史的な流れを学ぶ事が出来、大満足!後半は後半で、日常生活に落とし込んでの示唆に富んだ楽しい本でした♪
以下、380ページ目にあった、僕が一番心に残った箇所を抜粋して紹介します☆
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人間を狼だと仮定して考案される仕組みは、どんなに立派に見え、頑強に見えるオリを作ったとしても、どこかに穴があり、別の狼の侵入を防ぎえない。<途中略>人々の倫理性を呼び覚まし、倫理性に訴えて、また、人々の本来の倫理性から来る訴えに耳を傾けて、倫理的社会を構築するための研究をしなければならないのである。