あらすじ
天皇陛下の平成30年間の驚異的な旅の記録。
本書の核は二つある。一つは、平成30年間(平成30年は8月まで)の天皇皇后両陛下の旅の移動距離や訪問地などを報道資料をもとに集計、「一目でわかるデータ」にしたこと。
もう一つは、30年間の旅先での具体的なエピソードをひもときながら、両陛下の人となり、ひいては平成という時代を浮かび上がらせようという試みである。
天皇・皇后両陛下といえば、被災地で人々を励ましたり、戦没者や災害・公害などによる死没者の碑などを訪ねて祈られたりと、旅先の姿が印象深いのではないだろうか。
両陛下の旅は、被災者と向き合う、社会の片隅におかれた人々の声に耳を傾ける、かつての交戦国を訪ねて過去と向き合い親善を深めるなど、さまざまだ。
天皇陛下にとって、旅こそ「象徴」としてのメッセージを発する機会ではなかったか。『旅する天皇』を本書の書名にした意図である。平成時代の天皇・皇后両陛下の旅の全貌を伝える一冊。
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Posted by ブクログ
平成と令和の境目のゴールデンウィーク中に読もうと思ったが遅れてしまった。
「旅する天皇」というタイトルがいい。読みたくなる。
その視点で平成天皇を振り返るというのが、ピッタリはまっている感じがして、とても良かった。
激戦地へ足を運び亡くなった人のために祈り、災害地を訪れ、人々を慰め励まし祈る。ハンセン病、水俣病で苦しんだ人々の元へも足を運ぶ。離島へも積極的に訪問される。移民や開拓者の苦労も労う。
それが象徴としての大きな役割とお考えになり、実践されたことに偉大さを感じる。
即位されたのが55歳だったというのを「はじめに」で気づかされ、55歳からでもこれだけの仕事ができるのだ、存在感を残せるのだ、人々を惹きつけられるのだと、畏れ多くも思った。ほんと畏れ多いことだけど、勇気が出た。