【感想・ネタバレ】フェルメール 作品と生涯のレビュー

あらすじ

17世紀オランダで活躍したフェルメール。宗教画や神話画から転向し、勃興したばかりの市民階級が求める風俗画の制作へと乗り出した画家は、《牛乳を注ぐ女》《真珠の耳飾りの少女》といった名作を手がけていく。現実のようでいて現実でない魔術的な光と空間の描写は、いかにして生まれたのか。全作品をカラーで収録し、その真筆性をめぐる議論とともに、様式論を一冊に凝縮。政治や絵画市場などの背景に迫る補論を付した増補版。

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Posted by ブクログ

休日に美術館巡りをしておきながら、たいして美術の知識は持ち合わせておらず、全部「ふーん」と眺めているだけだったけど、激戦の抽選を経てフェルメール展に当たったので、「これは事前に勉強していかねば!」と思い買った本。

文章は論文寄りだし(多分論文よりは簡単だろうけど)、美術の基礎知識がないと分からない箇所も多かったけど(カラヴァジストって何)、フェルメールを取り巻く環境とそれに伴う様式の変化はざっくりと理解できる。

美術史を知らない身から出る幼稚な感想。
現代にも名を残す著名な美術家は、みんながみんな自分の気持ちとセンスの赴くままに作品をつくっていたのだと思っていたけど、冷静に考えたらそんなはずもなく。
それを生業とする以上、世の中の需要や景気の変化に影響を受けるのは必至で、かのフェルメールでさえそのうちの1人なんだということを知った。

そしてフェルメールの絵が評価される理由もなんとなくだけどわかった。
中期頃の、現実と表現の狭間を縫い、繊細な表現で、変更がきかないぐらい完璧な絵を作り上げているらしい。
現実ではあり得ない光でも、それがあることによって画が完成しているのだとか。
そういう説明があると「光の魔術師」と呼ばれる所以も理解できるし、「なんかもやっとカメラのフィルターがかかったような表現」がいかに計算された操作であったかわかって感動する。

意外だったのが、現代ではこれほど名高いフェルメールでも、今では一般にほぼ無名の画家の作品より取引額が低かったこと。
当時売れっ子であることと、後世に評価されることは別物なんだなあということも勉強になった。

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2026年09月16日

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