あらすじ
トランプ大統領の就任後、「移民の国」アメリカは様々な形で不法移民への圧力を強めている。強制送還や入国制限で、家族と離れ離れになった者も多い。それでもなお、アメリカを目指す人の波は途絶えない。世界のあらゆる場所からあらゆる事情の人々が、国境という壁を越えてくる。受け入れるか、拒むか、それとも無視か。果たして、アメリカはこれからも「夢の国」でいられるのか? 読売新聞ロサンゼルス特派員による渾身のルポ。
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Posted by ブクログ
移民問題の本というと、移民はこんな苦労をしてきた、強制送還されて可愛そう、という立場というイメージがありましたが、この本ではどちらかに偏った立場で書くのではなく、取材して見たこと聞いたことをそのまま書かれており中立的。
それでいながら、移民問題に詳しくない自分のような者にも読みやすい。
200人以上の人と会い、丁寧に取材した記録が綴られています。
『メキシコに壁を』という言葉やアメリカと地続きなこともあってメキシコ移民が問題になっているのかと思っていましたが、アメリカ南部の小さな国……グアテマラやエルサルバドルなどの移民が多いことを初めて知りました。
……というかアメリカ大陸の小さな国の政情不安など知りませんでした。政治が不安定で生命が脅かされた人が難民としてアメリカにきているんですね。
また、アメリカがここまで移民に寛容な国ということも本書で初めて知り、驚きました。
日本への不法滞在外国人と事情がかなり違うようですね。
初めて知ることが多く、またそのような者にわかりやすく書かれており、大変面白かった。
著者には是非、日本の移民へも取材しアメリカ移民と比較した話なども書いてほしい。