【感想・ネタバレ】沖縄報道 ──日本のジャーナリズムの現在のレビュー

あらすじ

2016年に名護市で起きたオスプレイ機事故を報じた新聞各紙の見出しは、「不時着」「大破」「墜落」とそれぞれニュアンスが異なる言葉を使用していた。ここには、各紙の「沖縄か本土か」「政府寄りか沖縄寄りか」という立場の違いが反映されている。このような沖縄と本土の意識差は近年、「溝」「対立」から「分断」へと深刻化している。本書では、沖縄現代史と今日の沖縄が抱える問題を踏まえた上で、このような状況を招いたメディアの現状と、それを生み出す構造を解き明かす。

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Posted by ブクログ

筆者のメディアに対する指摘は重要で、普段マスメディア批判をしながら、沖縄のメディアを叩く人たちは根は同じということがよく分かります。 
読みながら沖縄に寄りすぎではと思いつつ、そういう自分が公平性や中立に縛られているのを実感しました。

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2024年06月06日

Posted by ブクログ

日本のジャーナリズムの問題点を、沖縄に関する報道姿勢をベースに論じた好著だ.政権の側はいつも弱者の声をないがしろにする傾向にあるが、沖縄に関しては特にその状態が激しい.官房長官や首相は翁長知事時代には全く会わない姿勢を固持していたが、彼らの発想の貧困さに驚く.偏向について詳細な議論があったが、偏向のない思想に価値はあるのだろうか.

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2019年07月08日

Posted by ブクログ

1959年の宮森小米軍機墜落事故や1995年の少女暴行事件、2004年の沖国大ヘリ墜落事故に関しては小さな扱いの記事しか書かなかった本土新聞が、1964年東京オリンピックの聖火沖縄巡回に関しては嬉々として地元紙よりも大きな扱いで記事にした、というのがなんともはや……(pp243-252)。基地問題が政府と沖縄の「政治問題」という性格が強くなるにつれ、本土新聞でも表面的には扱いが大きくなってはいるが、実際は東京=政府目線の記事が増えただけ、というのも実感に即している(p265)。
本書に書かれているのは、新基地建設報道を注視してきた沖縄の人なら誰でもなんとなく感じていることだ。「沖縄の新聞って偏向してるよね」って思ってる本土の人々にこそ読んでもらいたい。
リアルタイムの時事問題を扱っているゆえ、賞味期限も短いかもしれない。読むならできるだけ早いうちに。

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2018年11月22日

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