あらすじ
20年ぶりに会う大学の先輩である辻堂から、妻が離婚に応じないと相談された弁護士の横手皐月。辻堂は愛人のマンションに転がりこみ、ヒモ同然の暮らしをしていた。妻の弁護士からは、愛人が妻に嫌がらせをしてきたとの連絡が。愛人からは妻から損害賠償請求が来たため、正式に横手に弁護依頼をしてきた。ところが、裁判の直前に依頼人である愛人が失踪。さらに妻が弁護士会館で何者かに殺されてしまう。辻堂と妻と愛人の三角関係。二転三転する事件。弱った横手は友人である弁護士・睦木怜に相談する。果たして彼女は真相にたどり着けるのか。
元弁護士の著者だからこそ描ける弁護士業界の奥の奥。読者の予想を裏切り続ける作家・深木章子の最高傑作がついに文庫化。推理作家協会賞候補作、傑作本格ミステリ。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
「ミネルヴァの報復」はエゴにも感じるけれど、そんなのはきれいごとなのだろう。
登場人物の人間らしさと複雑に絡み合った事件の全貌。見応えがある。
Posted by ブクログ
さすが元弁護士、設定も解説も細かい。大胆なトリックでもあり、細かい設定があってこそでもあった。ちょっと推理部がスーパー過ぎる気がしたが、見過ごしても良いかなとも思う。最後のネタバラしも、そのあとのフォローもエモくて良いし、弁護士2人の対比も話の軸として良かった。いろいろと濃いミステリ。
Posted by ブクログ
熱血弁護士・皐月と冷静沈着弁護士・怜の推理。読み進めていくと真犯人は絞れていってしまうが、その理由には若干がっかりさせられる。しかし現実的には仕事一筋できた女性が一瞬の心の間隙をこういったダメ男につけ込まれてしまうこともあるのかもしれないなぁと。人生を棒に振ってしまったが皆さんが書いてある通り、皐月の最後の選択には賛同したい。