あらすじ
「残された余命は半年――、俺はこのまま死ぬつもりだった」
大学を中退してニートとなり、生きる価値がないと感じていた松本修は、昔からの悪友・トミさんの誘いで母校の中学校を訪れる。そこには芸能人となってしまった因縁の幼馴染み・桐山鞘音がいて……。この出会いが再び修の運命を突き動かす。
『天才ゆえの孤独を抱えたヒロイン、凡才ゆえに苦悩する主人公。二人のすれ違いと、遠回りな青春に引き込まれました』
『逃げて逃げて、逃げ続けたクズに残った一つの約束。胸が熱くなりました』発売前から感動の声多数。掴めなかったチャンス、一度何かを諦めてしまった人に贈る、大人の青春物語。
【電子特別版】には書き下ろしショートストーリーが付属収録されています。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
想像以上の良作。いや神作。歌手としての才能のある幼馴染と、共に歩くことを諦めた主人公が5年の時を経て一緒に歩き出す話。 途中で雰囲気が変わるのだけど、前半は大病を患ったクズが頑張る話で後半は過去に何があったかと、再起する話。さっきクズと書いたけど主人公は全然クズじゃなくて、熱い男でそれは読んでいるとすぐ分かるのだけど、主人公が自罰的に"ニート"、"逃げる"と言いう言葉を使うことで心の傷の深さを感じさせるセンスや、田舎あるある、ヒロインの一途さなど、本当に読んで良かったと思える一冊でした。いやあ本当に感動しました。余韻に浸っています。今で言うYOASOBIのりらさんみたいな感じを想像しました。1回読んでみたら分かります。
フライさんのイラストも最高。鞘音可愛すぎぃぃぃ
Posted by ブクログ
冒頭の重い事実からこれはシリアスなお話になるのかと思ったら、その後、意外とコミカルな場面が続いて愉しく惹き込まれた。
これは言わば青年が失くした青春と恋を取り戻す再生のお話。
まあ、主人公の青年がほんとヘタレだね。
ヒロインの方も意地っ張りでチョットポンコツで。
二人とも不器用すぎる。
そんな二人を振り回す地元の兄ちゃんがいい味出してる。
ただ、主人公が町のイベントで積極的になるあたりの心情の変化が少しあっさりし過ぎのように思った。
そこはもう少しこれっと言う決め手が欲しい。その決め手になりそうなのが主人公の難病設定なのだけど、そういう意味ではこの巻では難病設定はあまり効果的に使われていない気がする。
一応のハッピーエンドだけど、次の巻ではそれこそ難病展開がメインになりそうでラストがハッピーかどうかは分からないなあ。
ちょっと続きを読むのが怖いなあ。