【感想・ネタバレ】武士道ジェネレーションのレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年11月13日

圧倒的、徹底的に守る「オサメ」を求道することもひとつの剣道。
和の象徴香織にノーマッチルールでぶつかった戦勝国の論理を持つ米国人ジェフが完全にオサメられたのちプロポーズするという「オサメた後」のストーリーで人間の不思議で素敵な感覚を味わえた。


あと一本でも何か喰らえば、自分は負けになってしまう。...続きを読む何かないのか、何かないのか──。  何もない。それが、ジェフの出した結論だった。


「……しかし、それを許してきたのは、誰でスカ。悪いのは日本、日本の軍隊、そういう宣伝の、スタートは、アメリカかもしれない。しかし、それを受け入れてきたのは、誰でスカ……日本人です。主張があるなら、それをするのがいい。アメリカが嘘をついているなら、日本は、それは嘘だというのがいい。しかし、それをしてこなかったのは、日本人です。あなたたちです」  まったく、その通りだ──。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年08月26日

p.104
磯山さん、あの夜はほんと、道場で一人で、吐くまで飲んでたもんな。
p.315
「……香織。それでよい。今は、分からなくてよい」
なんだよ。正解なしが正解かよ。
p.354
「……戦いってのは、そもそも理不尽なもんだろ。その理不尽に打ち勝つ『理』を、あたしたちならどうするんだ、って話でさ」...続きを読む

面白かったです。武士道シリーズよかったです。
これでおしまいなのかーという寂しさが拭えません。香織が大好きです。

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Posted by ブクログ 2020年08月29日

物語はいよいよ武士道の佳境へ。

日本の伝統的な精神を大切にすることは大切だと思う。誤った自虐史観にとらわれてはいけないこと、それぞれの国が国益に応じて歴史を捏造しているという現状を訴えたいこともわかる。が、それ故に、一人の主人公が自国の文化を大切にするがゆえに、海外の人に苦手意識というか敵意まで持...続きを読むってしまうのは、いささか視野狭窄な偏屈さを覚えてしまう。歴史について議論することは良いことだが、自国の伝統を重んじてるのは良いけど、反省の上に基づき、相互尊重していく冷静な姿勢が必要なのだと思った。

そう、奇しくも、剣道におけるオサメで香織が学ぶ「守るためには、圧倒的な力と争いの渦に巻き込まれない禁欲的などこまでもいっても暴走しない冷静さが必要」ということは、剣道だけでなく、社会問題の解決にも必要なのだと思う。その意味で、武士道とは、単なる剣道や体術、だけでなく、政治や倫理にも生かすことができる思想・哲学なのだと思う。自然を守りたいという、私自身の思いを実現させたいのだが、自身の力の不足と冷静さが足りていないことに改めて気づかされる。

そして、桐谷先生の言葉。「何故生きるかではなく、どう生きるか。誰のために生きるのか」。何故という問いではたどり着けない解に、どうするかと問いかけることで、背筋を伸ばして先に進める解が得られることもあるということに気が付かされる。「人生このままでいいの?」という本でも、質問を「何故」から「どうしたら」に切り替えることで前に進めるという紹介がされていることと符合する。考え方として、過去や原因を振り返る思考と、現時点・今ここからこれからどうするかという未来を見据える思考との違いに気づかされる。人生、何故生きるかでは、苦しいが、どう生きたいかを考え、在りたい自分で生きることは、とっても前向きであると思った。
「武士道とは、死ぬことと見つけたり」。小説の中では誤った理解がいじめの原因になっていたが、本来は、死を見つめることで、最大限の生を享受し、前を向いて誰かのために、在りたい姿で生きていくことに精進していくという意味の言葉だ。
後ろ向きになりがちで、一歩も踏み出すこともできず身動きの取れなくなっている自分だが、これから新たに、「武士道」を胸に、どう在りたいかを考え、これからを生きていきたいと思う。

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Posted by ブクログ 2021年08月29日

武士道シックスティーンからこのシリーズにハマって、これがシリーズ最終巻になるのかな。
シックスティーンの時に出会ったがさつで勝利至上主義で剣道一筋の磯山香織と、本来剣道はやりたくて始めたのではなく日本舞踊の延長線上で剣道と出会った西荻早苗の剣道を介して始まった友情と剣道との向き合いがすごく面白く、こ...続きを読むのシリーズはその後セブンティーン、エイティーンと続いた。
そして、ジェネレーションだ。
それまでのシリーズは剣道とこの二人を中心にした様々な試合や部活などの話がちりばめられていて、あっという間に毎回読み切れるハラハラドキドキの楽しい小説だった。いや、今回がそうでないわけではない。
ただ、早苗が大学生になり日本史を勉強したかった早苗の目指して入った大学の教授が退職されていて、その思想的な部分(慰安婦問題はなかった、南京大虐殺は無かった)という話の組み立てが、中高生が読んでなんか一方的な知識を色を付けてしまうのではないかと心配した。確かに、慰安婦問題は朝日新聞の記者の間違った部分のある記事が下げられたが、慰安婦問題は全くなかったわけではないし、南京大虐殺も人数には誇張があるかもしれないが、全くなかったわけではない。どちらも戦争という狂乱した世界では起こりうることであり、現にその被害者や記録があるのだから日本に都合の悪いことは無かったと言い切るこの小説の書き方は??であった。
早苗が結婚した充也の友人のアメリカ人ともその後そのことで論戦を繰り広げたりするのだが、このあたりの心情的な部分は作家の思いが大いに露呈したのだと思う。

小説は早苗の夫充也と香織が通う桐谷道場が廃業するかもしれないという部分が今回のストーリーの真ん中にあり、その方針を何とか香織が阻止しようと充也とその方針を変えるために道場に伝わる裏剣道?を伝承して道場主の玄明先生に納得してもらおうと必死に習得していく中で、様々なストーリーが流れていく。

結婚した早苗と充也の夫婦仲もそれによっていろいろと波乱があるがこの小説は基本ハッピーエンドなのは変わらない。

ただ何度も書くが、歴史観を一方的な視点から押し付けている部分はいかがなものかと心配する。

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Posted by ブクログ 2021年07月18日

武士道シリーズの最終巻。もうこれで磯山さんと早苗のお話が終わってしまうかと思うと寂しくなります。

早苗が進んだ道は、歴史、というか、平和、というか、学問の道?歴史観など、おそらく誉田先生の意見とかも入ってきて、こういう小説で読むにはちょっとそぐわない感じ。ステレオタイプがはいったような留学生を登場...続きを読むさせたり、主要な登場人物のジェフに歴史観を語らせたりと、★マイナス1。

一方、磯山さんはもちろん剣道。もはや無双状態です。それにシカケとオサメまで習得してしまって、アメリカの海兵隊のジェフにもかって達人となってしまいました。最後には、素晴らしい道場主になります。

最後はなんだか好きな漫画が最終回を迎えてしまう、といったような感じ。素晴らしい時間をありがとうございました。

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Posted by ブクログ 2021年04月17日

武士道シリーズの4作目。続いている世界だと
大学時代の話だけだとちょっとやだなと
思ってたら作品冒頭から結婚式!!
そしてその結婚のほか、大学時代の話などが
ちらほらとあったけど桐谷道場の後継者問題が
今作の中心になっていてそこにまつわる話や
桐谷道場の門下生の問題など色々なことが
巻き起こるが、香...続きを読む織や早苗などがらしさを
存分に発揮し前に進んでいく。
正直「剣道」は見たことはあっても
よくわからない、「武士道」は聞いたことが
あっても詳しくは理解していない。
でもこの作品を読んで「剣道」とは今でこそ
スポーツ化して競技としての一面もあるけど
そこには確かに「武士道」があり、
そしてのその「武士道」も人それぞれ
自分の思う「武士道」を貫けばいいのだと
なんとなくそんな風に思いました。

途中で出てくる「人はなぜ生きるのか」の
問いに「なぜ生きるのかではなく、
どう生きるのか、誰のために生きるのか」
というセリフにあぁ~ちょっとそういう考え方
いいなぁ~とこの時期だからか思いました。

「武士道シリーズ」はかなり前にとある方から
進められて読まずにいたのですが、
今回読んでみて読後感がいい作品で
出会えたことに感謝です。

後、番外編の「美酒道コンペティション」に
たつじいが出てきたことや香織と早苗の
ほのぼのとした日常が面白かった。

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Posted by ブクログ 2021年01月26日

作者買い。

てか、3~4年寝かせておいた一冊。
読みたくて読みたくて・・でも、読んでしまうのが勿体なくて…(このシリーズを読み終えてしまうのが寂しくて)。


ついに読み始めたら、やっぱり期待通りに面白くて。
時おりクスリと笑わされつつ、先が気になりぐんぐん読み進められた。

前作でサイドストーリ...続きを読むー的に語られた、桐谷道場の過去エピソードが、こんなにも濃密に関わってくるとは思いもよらなんだ(苦笑)。(『・・・エイティーン』、再読せねば!)

※結局、早苗の競技復帰がなされぬままだったのが、少々寂しいかな。

★4つ、8ポイント半。
2021.01.25.古。

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Posted by ブクログ 2020年09月30日

今までの小説の内容を忘れていてビックリ!
もう一度、最初からじっくり読みたいと思います。

以下、本文より
「ではなぜ、人は生きるのか・・・」
「なぜ生きるのかではなく、どう生きるのか、誰のために生きるのか・・・そうお考えになってはいかがかと、お答えするようにしております」

「・・・アメリカは、と...続きを読むても強い国。でも、すこォシ、バカです。何度でも戦争しマス。いつも戦争しマス。でも、もうアメリカは、世界の警察官を続けられナイ、分かりマシた。テロリズムを防げない、分かりマシた。おごれる者、久しカラず、ネ。素晴らしい日本語です・・・私は、アメリカが、日本の考えカタ、勉強するは、いいと思いマス。日本は、とても強い。でも戦争しナイ。磯山センセイの剣道、とても同じ。今日の試合、素晴らシイですネ。強い力、持っている。強い技、たくさん持っている。でも、相手を倒すは、しナイ。戦いを終わらせる、ために、戦う。私がギヴ・アップ、で、戦いは終わり。とてもピースフル。アメリカも、それをしタイ。そういう勉強、始めるといい、思いマス」

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Posted by ブクログ 2019年11月27日

はい!異義あり!この爽やかな剣道物語に、従軍慰安婦問題や南京戦争を絡める必要はあるの??前作から6年、香織も早苗も24歳。「早苗、剣道やめるってよ」「早苗、結婚するってよ」って感じで幸せになるのは良いことだがやや寂しい。対して香織はずっとブレない女。嬉しい。最終作ということで、温かなエンディングで良...続きを読むかったが、二人がバチバチ剣道やっているのが一番面白かった。シリーズでは『セブンティーン』が自分的ベスト。

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