あらすじ
ファッシーの町に辿り着いたタクマ達は、そこで出会ったデイモートからファッシーに関する衝撃の事実を告げられる! はたして、悪に支配された町をタクマは救うことができるのか!
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Posted by ブクログ
これにて、漫画版『異世界に飛ばされたおっさんは何処へ行く?』、大団円ッッ
いや、まさか、この(13)でコミカライズ版が終幕になっているとは思ってもいなかったので、表紙と帯を見て、ちょいショックを覚えてしまった。
原作小説が面白かったので、この漫画版を買って読んだ時は、ひらぶき雅浩先生が作画を担当してくれて良かった、と思った。
巻数を重ねていくうちに、原作のストーリー展開から乖離していったが、原作者のシ・ガレット先生がそれを許しており、なおかつ、漫画版のストーリーは、原作の良さを守りながら、漫画って形でなきゃ出せない良さも、しっかりと発していた。
だから、ますます、ひらぶき先生が、この『異世界に飛ばされたおっさんは何処へ行く?』をコミカライズしてくれている事に感謝したくらいだ。
原作者をキレさせて強引に打ち切られたって感じは、一切ないので、元々、ここに着地する予定だったのかな、と私は勝手に考えている。
どんなハッピーエンドを、タクマたちが迎えているのか、そこはこの漫画版の『異世界に飛ばされたおっさんは何処へ行く?』を、未読の方に確かめて貰いたいので、言及はしないでおく。
あえて一言だけ言うなら、人の道を外れ、戻るチャンスを与えられたにも関わらず、最期まで人の縁を見下し、己の子供じみた欲求を優先したクズが、主人公の打った起死回生の一手に、何の抵抗も出来ずに惨敗を喫す展開ってのは、ホントにスカッとするな、ってこと。
ひらぶき先生が、あの藤田和日郎先生のアシスタントを務めていた事もあり、今でもお世話になっている事もあってか、このコミカライズにも、ちょいちょい、藤田先生の影響をモロに受けているな、と感じるシーンがあったので、そこも楽しめる理由だ。
このコミカライズの経験を、ひらぶき先生が、次回作に、どう活かしてくれるのか、今から楽しみだ。
この台詞を引用に選んだのは、シンプルにグッと来たので。
あくまで、私の勝手な印象に過ぎないけど、これこそが、シ・ガレット先生が原作小説でも書きたいテーマっつーか大事なモノなんじゃないかな。
人間一人に出来る事は限られている。
だけど、主人公が旅の間に体を張って戦った仲で紡いだ絆は、いざって時に、これほどまでに大きい事を為せる。
助け合ってこその人間だ。
また、このシーン、『うしおととら』が好きな漫画読みには、間違いなく刺さるだろう。
きっと、ひらぶき先生にとっても、あのシーンが目標なんだろう。
ひらぶき先生が、タクマを、ここまで人間として強く表現できたのは、彼が自分が泥を被って汚れる事も厭わないで、誰かを守ろうとするからなんだろうな。
もう、いっそ言っちゃうが、タクマとナビがしてきた旅は無駄じゃなかったのだ。
「世界の一大事って言われても、正直、ピンとこねぇ!それより家族や自分の町が大事だ!」「仲間や町が窮地で、法も自然も・・・運だって味方してくれなかったとき」「タクマさんは助けてくれた!!」「ここで起きている未曽有の事態にも、どうせ、お節介で必要以上に首を突っ込んでいるのだろう。顔も知らない民にまで気を遣って」「自分自身を削ってまでもな!」「ならば・・・」『今こそ、タクマに報いろ!!』(byタクマの友たち)