あらすじ
ゴキブリ100万匹、蚊とハエで10万匹、ダニ1億匹などなど……!
約100種類の害虫の“飼育員”による、害虫たちのことがよくわかって、好きになる!? 笑えて深い、いい話。
兵庫県赤穂市にあるアース製薬の研究所では約100種の害虫を飼っている。その虫たちの世話をし、繁殖させている“飼育員”有吉立さん。実はゴキブリに限らず虫が苦手だったという彼女だが、飼育するために観察して生態を知るうちに恐怖心や偏見はなくなった。ゴキブリは人間を襲ってこないし、ハエも蚊も病原菌を持たなければ、恐れなくても大丈夫。飼って分かった害虫たちの意外な素顔を面白カワイイイラストとともに紹介。登場する害虫たちは……ゴキブリ/カメムシ/クモ/アリ/ハチ/蚊/ムカデ/ダニ/マダニ/トコジラミ/ハエ/コバエ/ナメクジ/貯穀害虫/ダンゴムシ/ノミ/衣類害虫/シロアリ/園芸害虫
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
美大出身、それほど虫が好きだったわけでもない、というところに共感がわく。仕事を通じてどんどんエキスパートになっていく著者の様子を面白おかしく読んだ。これからもいろいろ発信していただきたい。
Posted by ブクログ
殺虫剤(虫ケア製品)の会社で実験用の害虫を育てている方が、さまざまな害虫の飼育について語る本。
「ゴキブリ並の生命力」という言葉とは裏腹に、繊細な面も持ち合わせているということや、チャバネゴキブリの薬剤耐性は生まれつきの体質であるということ、ナメクジはタンパク質を食べないと卵を産まないことなど、よく見かける虫の意外な一面を知ることもできて面白い。それぞれに適した餌を探したり育ちやすい環境を整えたり、放っておいても増えるように思う嫌われ者でも常に一定の数を育てるとなると大変なんだな…。
印象に残ったのは、研究室などで飼われている蚊は「由緒正しい」お家柄に限られているということ。理由は、野生の個体がウイルスを持っている可能性があるから。確かに数年前にはデング熱で話題になったけれど、すっかり気にしなくなっていたのに気付いてゾッとした。今年の夏はちゃんとサラテクト買おう…。
Posted by ブクログ
可愛らしいイラストとともに、わたしたちの身近な害虫について解説されていてとても面白かったです。
私もかなり虫嫌いなのでアース製薬さんには日々お世話になっておりますが
一時期嫌いすぎてコバエをどうにか駆逐できないか調べ尽くしたことがあり
その経験からいつのまにかコバエが好きになってしまったことがあるので
筆者の仕事ながら嫌いであったけどいつのまにか受け入れられるようになった、というのはとても共感が持てました。
アース製薬の研究所に興味が湧いたので、読み進めている途中でYoutubeで実際のゴキブリ飼育施設を閲覧してみましたが想像以上の飼育環境にドン引きしつつも
こういった研究者、飼育者のお陰で快適な暮らしができていると思うと頭があがりません。
コバエの飼育の仕方から、どんな食べ物に湧きやすいかも勉強になりました。
他にも普段は知り得ない面白雑学が満載で、これはこうなんだってー!といちいち夫に話しながら読んでしまいました笑(そのあと夫も興味が湧いたようで自分でも全部読んでました笑)
ダニのページは見ただけでも鳥肌が立ち、だんだん痒くなってきて読んだ後掃除をせずにはいられなかったので
最近お掃除めんどくさくてやる気が出ないわ…という方にもオススメです笑
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最高。怖いもの見たさで定期的に読みたくなる。
こんな仕事をしている人がいることを今まで考えたこともなかった。
筆者が淡々と語っているのがまたいい。
Posted by ブクログ
身近だけどよく知らないで「嫌い」「こわい」と思っている虫たちの生態がわかりやすく書かれているいい本。
どの虫も写真はなく絵なので怖さはないけれど、私が思っている「アレ」とこの虫は一緒?と思うので、白黒写真を小さく付けてもらえるともっといいと思った。
想像もつかなかったお仕事をされている方々がいるということもわかり、虫ケア製品を大事に使おうと思った。
Posted by ブクログ
商品開発のために
健康で病気のない 形のそろった個体を
準備するのはとても大変そう
餌や室温 湿度など 気を使わないと
繁殖率が悪くなるそうです
なかには ビール酵母を食べているのもいて
かなり 健康的ですね
一匹づつ 試験管のなかに入れるなど
細かい作業もいっぱいです
好きになれないものの 偏見はかなりなくなりました
Posted by ブクログ
試験用の害虫ですーなんて言いながらも、虫たちへの愛情が溢れる文です。
お世話して、増やしてということをちゃんと仕事として「誰にでも」「いつでも」できるようにシステム化していったというところが好きです。
Posted by ブクログ
アース製薬の害虫飼育員が、生態、飼育、繁殖方法、その苦労について語る本。
自分も虫は嫌いで、視界にいれたくすらないのですが(じゃあなんでこんな本手に取ったんだ)、この本は虫たちがかわいいデフォルメイラストで書かれてるので、とっつきやすかった。
自分だったらこんな仕事絶対やりたくないけど、こういう人がいるからこそ、駆除スプレー等が開発、販売出来ているわけで...本当に頭が上がりません...
Posted by ブクログ
研究の為に大量に飼育する面白い話だった
以前虫を食べ比べた時に独特の虫臭さを感じたけれど、本の中でも虫の匂いについて記述してる文があってやっぱりそれぞれ匂いがあるんだなぁと共感笑
Posted by ブクログ
法医昆虫学捜査官でよんだ虫がたくさん出てきた。合わせ読みたい。
どんな研究してた人がなるのかと思ったら美術系専門学校!地元の大企業の正社員という待遇にひかれてと聞けばなるほどな〜とは思う。
飼育方法が確立してない時は東大卒に文献借りたり小学生の自由研究参考にしたり幅広くておもしろい。
昔鳥の餌によくわいた虫はノシメマダラメイガかな。
Posted by ブクログ
クモ
交尾が終わると食べられてしまうオス
ムカデ
ゴキブリを食べてくれる。
ゴキブリを駆除するとムカデの抑制につながる
ナメクジ
カタツムリの仲間が進化して殻をなくしたもの
シロアリ
繊細なのでストレスになることはしない
長生き
ゴキブリと近縁の昆虫
腸内に共生する微生物のおかげで、木材に含まれるセルロースを栄養源にできるのが大きな特徴
時には100万匹にも達するコロニーとなるので、家屋に取りつくといつの間にか被害が広がる
木の中にいるので防除しにくく、気がつけば家がボロボロということもある物騒な生活スタイルを持つ
一匹一匹は薬剤に弱い昆虫
Posted by ブクログ
なかなかインパクトのあるタイトルである。
著者は害虫駆除の一般薬を開発・販売するアース製薬に勤務する女性である。彼女の仕事は何かといえば、研究開発に用いる害虫を飼育・調達すること。
薬品を販売するには、効能を証明するデータがいる。これを元に厚生労働省に申請し、認可を得て市場に出すわけである。「来年の夏に売り出そう」と思ったら、逆算してそれまでにこれこれの試験をしておかなければならないというのがある。
実験部門から、「幼齢期のクロゴキブリを来週中に300匹」とか「薬剤耐性のチャバネゴキブリ、雌だけで200匹」とか要請を受けて、虫を供給するのが彼女たち飼育部門の人々の役割なのだが、得てしてこの依頼が、ぎりぎりに来る。そんな無茶な!という大量の虫の要望にもなるべく応えられるように、使用されそうな害虫を、常日頃から十分量で飼育しておくのが腕の見せ所である。
そんな業務の中で得られた害虫たちの生態や特徴などを「楽しく」まとめたのが本書である。
タイトル通り害虫図鑑で、ゴキブリ、カメムシ、クモ、アリ、ハチ、蚊、ムカデなど、日本の代表的な害虫が数ページずつ紹介されている。
害虫というと嫌われ者の代表のようで、生命力も強くて飼育も楽だろうと思われそうなところだが、結構大変なのである。
ちょっとした温度の違いで羽化の時期が変わってしまうもの、放っておくと共食いしてしまうので分けなければならないもの、飼育は可能でも繁殖させることが難しいもの。
閉じ込めておくと、自分の臭いが臭すぎて死んでしまうカメムシや、カツオ節に安価なサバ節やアジ節が混ざっていただけでいつも通りには増えないイガなんて話を聞くと、なるほど「きらいになれない」憎めない奴らなのである。
おもしろいことに、著者はこの職に就くまで、大の虫嫌い。どうしてアース製薬の採用試験を受けたかといえば、地元の優良企業の正社員枠だったからという理由。入社当初はハエが夢に出てきてうなされたほどの彼女が、どうやって害虫飼育エキスパートになっていくのか、挿入されるコラムもおもしろい。
研究所育ちの虫たちは、基本、病原体を持たない。そのため、一部の虫たちは、制作会社の依頼を受けて、ドラマなどに出演することもあるそうである。
ドラマのシーンにゴキブリやハエが出てくることがあったら、エンドクレジットをチェックすると「アース製薬」の名前があるかもしれない。
虫の本だが、写真などはなく、全編、表紙と同じイラストレーターのイラストなので、虫嫌いの人でも抵抗なく読めそうである。
「害虫」とはいうが、彼らは彼らとして暮らしてきて、ヒトと虫たちとの生活環境が重なる中で、忌み嫌われるようになってしまったものたちも多い。とはいえ、病原体を媒介するものやアレルギーの原因となるもの、家屋を侵食するものなどもいるわけで、そうしたものはやはり避けなければならないだろう。
彼らの生態を知ることが、うまく「住み分けて」いくことの一助になるようにも思う。
Posted by ブクログ
*ゴキブリ100万匹、蚊とハエ計10万匹、ダニ1億匹etc…の飼育員による、笑えて深くて真面目な話。育ててわかった害虫たちの意外な素顔*
よもやこんなにお茶目で可愛い害虫図鑑が出来ようとは…!!害虫の飼育員なるお仕事があるなんて、まさに目からウロコ。とにかく表紙とイラストが秀逸。仲間のニオイで死んじゃうカメムシ、アタシを怒らせないで(怒)なハチ、ベジタリアンだと思ってた?のナメクジ…思わず噴き出すイラスト、最高です。ゴキブリの寿命が意外に短い半年足らず、の情報、サンキューです。
Posted by ブクログ
本書の内容は面白い。
面白いが、万人におすすめできるか、というと、かなり好みが分かれると思う。
リアルなイラストは出てこないし、写真に至ってはない。
とはいえ、害虫の話なので結構ゾワゾワする。
ナメクジとか、蜂は大丈夫なのだが、穀物外注、衛生害虫、園芸害虫はだめだ。
わかってる、わかっている!
彼らも生態系に必要で、好きな人もいるし、遺伝を調べるのに便利、とか、そういう反論があることは!
でも!
やっぱり想像すると、言葉にならない、ヒィぃぃぃぃぃっ!という気持ちになる。
もちろん、著者が飼育している害虫たちは、アース製薬という外注を退治するための薬剤を作っている会社で、系統がしっかりしていたり、病気を媒介していないことから、「汚い」わけではない。
人間のために累代飼育され、殺される運命が待ち受けている。
とはいえやっぱり、気持ちのいいものではなくて。
どうして害虫とされるのか、どんな環境なら生きるのか、そう言った観点から読むと非常に面白い。
専門職ではなかった著者がどのようにこの仕事についたのか、ということも面白い。
ちょっとゾワゾワする、ためになる本。