あらすじ
彼女の靄を引き裂き、最初の光となったのは――13世紀、霧の大地に展開する、容赦なき無慈悲な運命の渦……。
修道院に閉じ込められ、長らく世間と隔絶していたノルマン貴族の娘メアリアン。だが彼女はその、花をもあざむく美貌のせいで、兄の計略により、好色な老人公爵に妻として今まさに献上されようとしていた。このままでは非情な兄に利用され、操り人形になるだけ……。思いつめたメアリアンは、その夜、幽閉されていた部屋を抜けだす。ところが、あと一歩のところで、男性の居丈高な声が響き渡ったのだ。「君は誰だ?」顔を蒼白にして震えながら振り返ると、あろうことか兄の客人、氏族長の子息アデアが眼光鋭く立ちはだかっていた。
*本書は、ハーレクイン・プレゼンツスペシャルから既に配信されている作品のMIRA文庫版となります。 ご購入の際は十分ご注意ください。