【感想・ネタバレ】失敗という人生はないのレビュー

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Posted by ブクログ 2022年10月25日

本書は、著者のいろいろな本からさわりの部分だけを集めてきたものであると語っている。
忙しい人が、限りある時間で読書するということは大変なことだとしみじみと思うようになった。

気になった言葉は次の通りです。

・生命を賭けさせられることと、生命を自発的に賭けることとは、全く別ものである。

・人間は...続きを読む常に自分が手にしていない運命の方を明るく考える

・しかし、私は、心のどこかで、「この悲しみの世」ではなく、「生きるに値しない世」であるという実感は抜き難かった。

・この世は楽しいものだというのは、観念論者が植え付けた根拠のない幻である。

・人間の死は、決して一度にやってくるものではない。人間は老いと共に、長い時間をかけて部分的に死に続ける。

・心から、という言葉があり、私はどうもその表現をうさんくさいと思った。

・愛の定義を私はこういう風に考える。その人のために死ねるか、どうか、ということである。

・恋とは客観的な真実ではなく、われわれがどれだけ相手を誤解できるかということだ。

・人生は報いられなくていいということを、徹底してわからせてくれるのが信仰なんです。

・しかし、アウシュビッツでは、かっとなって殺すことは物理的に不可能であった。そこには、綿密で冷静な計算がなされなければ、ことは運ばない。

・人間の行動の動機はすべて、理不尽で愚かなものである。

・世の中には自明の理と思われていることで、意外と徹底していない点がたくさんある。

・親も先生も教えてくれなくても、あらゆることには、二面性があることを知らなければならない

・人間は誰でも、何かを手に入れようと思ったら、その代価を払わなければなりません。

・あらゆる仕事に、徹底的に必要なのは情報というものである。

・もともと人間は他者を理解不能なのだ。

・人を救わなければならない時には、ルールを超える場合が多い。

・世界中のほとんどの国が、「勝てる時は軍隊を、負けそうなときは外交を」と考えるのが原則なのである。

・政治家の使命は、国家安全の保持である。

目次は、以下です。

まえがき

人生に失敗ということはない
  生きること
  人生に完全はない
  人間は運命を選び取ることができるか
  この悲しみの世に
  死によって人は高められる
  よく死ぬことはよく生きること
  死を意味あらしめるもの

愛は生命そのものである
  その人のために死ねるか
  愛される資格
  結婚とは、相手の総てをコミで引き受けることである
  夫婦は、自分の未知の部分を相手によって発見する
  許した時だけ人は本当に愛を自分のものとする
  老年は、精神の完成期である

神は私たちひとりひとりの中にいる
  神は人間を束縛するのではなく、解放する
  信仰は報いられない人生を祝福する
  生命に関することは総て神の仕事である
  祈りの力
  覚えたる罪と覚えざる罪
  この世のすべては神の作品である

無力からの出発
  強い人、弱い人
  愚かで盲目だから可能性を持つ
  完全な善人もいない。完全な悪人もいない
  悪を認めることによって人間の深さを知る
  断念は、敗北ではない。新たな希望である

持てる能力を生かす
  足し算の幸福、引き算の不幸
  本当の自由を手にするには
  苦しみが人間をふくよかにする
  貧しさは神からの贈り物である
  与える歓び、損のできる強さ
  昏いからこそ私たちは勉む
  責任をとるのは誰なのか

私は人々の中で生かされる
  この世で不用な人は一人もいない
  一生はひとと共に始まる
  親は子どもにとって土である
  生活は自分で選びとるもの
  本職と書いてこそ作家、教えてこそ教師である
  人間は国家によって生かされもするし、殺されもする

曽野綾子の世界 岡宜子

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