あらすじ
自動運転、EV、ライドシェア……「次世代自動車産業」をめぐるニュースが連日メディアを賑わせている。その覇権を巡る戦いは、自動車メーカーのみならず、IT、電機・電子、通信、電力・エネルギーなどのトップ企業がしのぎを削る“異業種戦争”といっても過言ではない。日本勢はどうすれば勝ち残れるのか。大学教授、上場企業の取締役、コンサルタントという3つの顔を持つ著者が、膨大な資料と独自の視点で「戦いの構図」を整理し、日本の活路を探る。 【目次】●序章 次世代自動車産業をめぐる戦国時代の幕開け ●第1章 自動車産業の「創造的破壊」と次世代自動車産業の「破壊的創造」 ●第2章 EVの先駆者・テスラとイーロン・マスクの「大構想」 ●第3章 「メガテック企業」の次世代自動車戦略 ●第4章 GMとフォードの逆襲 ●第5章 新たな自動車産業の覇権はドイツが握る? ●第6章 「中国ブランド」が「自動車先進国」に輸出される日 ●第7章 「ライドシェア」が描く近未来の都市デザイン ●第8章 自動運転テクノロジー、“影の支配者”は誰だ? ●第9章 モビリティと融合するエネルギーと通信 ●第10章 トヨタとソフトバンクから占う日本勢の勝算 ●最終章 日本と日本企業の活路
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Posted by ブクログ
470ページを超える新書にしては厚い本でしたが、中身も実に熱い。
「自動車」というものの在り方が大きく変化する真っただ中の現代から2022年を見据えて、従来の自動車メーカーの枠を飛び越えてIT、電気、通信、電力・エネルギーと多数の関連する領域について詳細に展望が述べられています。
トヨタ自動車の豊田章男社長が「勝つか負けるかではなく、生きるか死ぬか」とどこかのイベントで発言されたのは知っておりましたが、それが決して誇張ではないことが理解できたような気がいたします。
さて、2022年。自動車はどのように代わっているのでしょうか?
付箋は31枚付きました。
Posted by ブクログ
もう少しコンパクトにまとめられたかも?と感じつつも、とても勉強になる一冊でした。自動車産業のトレンド(CASEやMaasなど)を一通り理解していると、この一冊でさらに最新の動向や、これまでの動きを振り返ることができます。
Posted by ブクログ
2018年の作品。この分野は1年時間がたつと、全く状況が変わっているから古い本を読むのは必ずしも効率的ではないのだが、本書は市場環境、技術動向、プレーヤーの戦略、そしてファクトとデータをベースにした未来予測がわかりやすく、頭の整理になる。
コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化といった今後のクルマの方向性だけでなく、AI、データ、高速通信なども一体となって、クルマはまさに動くITの塊みたいな存在になる。コロナ禍で少しスピードは鈍っていると思うが、2030年くらいのクルマは、今とは全く異なるものになっている可能性は高いと思う。
Posted by ブクログ
2018年と今から2年前の著作だが、ライドシェアの持つインパクトや意義、中国の動向、NVIDIAの動向など、現在起きている事象の趨勢を言い当てている。(アップルだけはまだ未定だが)。
この2年での変化は、トヨタが街づくりの会社を興したことや、コロナ禍においてESGやSDGsといったエネルギー面での持続可能性を問う風潮が強くなったことがあると言える。
また、本書中にあった「問題を設定してテクノロジーをぶつける」という手法はデザイン思考と近く、グランドデザインの細部までの凡事徹底はアート思考などと近いような点も取り上げられており、全体の動向をつかむことに加えて、現在のビジネスのヒントもすでに埋め込まれているように感じた
トヨタの動向は注目したい。グーグルはいったん街づくりからは撤退している
Posted by ブクログ
今後の自動車周辺の情勢は、垂直統合型な自動車メーカー同士のみの競争ではなく、AI、計算機、通信、エネルギー、シェアリングなどの新たなレイヤーが並列的に欠かせなくなってゆく。各レイヤのリーディングプレーヤーの現状の取り組みやビジョンが世界横断的にピックアップされていて、「登場人物」を網羅的に把握することにより、本産業周りの状況をキャッチアップすることができたのではないかと思う。
また、日本の現状を「社会問題先進国」と表現されているのがキーワードとしてインパクトがあった。
Posted by ブクログ
自動車産業の未来予想図がここにある!
自動車業界は100年に一度の大変革期を迎えていると、言ってきましたが、どのよう
に変革しそうなのか、
多面的に解説された本です。
好みの自動車を購入し、ガソリンを燃料に人間がクルマを動かす。
今では当たり前の自動車を取り巻く環境が大きく変化しようとしています。
ガソリンが電気に。
人間の運転から、AIが運転する(自動運転)。
自分の都合に見合った乗り方を提供してくれるサービスを選択し、必要な時に必要
なだけ車に乗る(ライドシェア)。
そんな世界が遠く無い未来に訪れようとしています。
飛行機で考えてみれば、一般の人は、乗る飛行機がボーイングやエアバスだとか航
空機メーカーで選ぶことはありません。
行き先や予算、スケジュールの都合に合わせ最適な航空会社を選択します。
自動車の世界も、お客さまの都合に見合った「ライドシェア」会社を選択するよう
になる、との本書の予測は衝撃でした。