感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
純粋無垢なわんこ系けがれなき青年×ブロードウェイの夢破れた男娼。
80年代のアメリカを舞台にした、ドラマティックなラブストーリーで大泣きしてしまいました。
センセ、作品の振り幅が尋常じゃないです!桜田先輩の話を先に読んでしまっていたので、あまりに違うテイストに度肝を抜かれました。
80年代の洋楽ブームや、アーミッシュの特殊な生活ぶりに興味津々になり…ピュアでまっすぐ自分の心に嘘をつかずに生きようとするうちにどんどん精神的にも成長していくテオの姿が眩しかったです。
コミュニティの中で育った彼は、現代文化には疎かったけど、人としての感情は誰よりも豊かでブレがなくて愛情豊かで魅了させられました。
世間知らずなテオと勘違いから関わり、危なっかしい彼の世話を焼くようになるオズ。彼は挫折した過去があり、身体を売って日銭を稼いでいる身で投げやりな生き方をしていたのですが、テオとめぐり逢って人生が変わっていきます。
オズの魂の救済がストーリーのメインとなっていて、愛の力のすごさというものを改めて認識して、涙が止まらなかったです。
ストーリーの展開がとにかく素晴らしかったんですよ…昔の映画を観ているような胸を締めつけられるような奥深さがあって、満足。
カルチャークラブやフラッシュダンスとか、80年代カルチャーいいですよね…
Posted by ブクログ
名作でした。
冒頭の伏線も忘れストーリーにのめり込み、最後まで一気に読んで深く感動しました。
故郷も家族もダニーもクロエも愛した人も、大好きなものしかないのに、なにかを捨て選ばなければいけなくて、それがつらくて悲しかったです。
それでも選ばれた結末に安堵して涙が止まりませんでした。
テオドールとオズワルド、二人に負けないくらいダニーが大好きです。愛を「素晴らしい呪い」と告げたクロエも。
誰もかもが幸せになってほしいと願わずにはいられない、切なくて素敵なお話でした。
文句なしの★5
最近はBL読んでもすぐに「あれこれ読んだ奴だっけ・・・」とか内容忘れてしまうくらいで、もうそろそろBL以外も読もうかとか思ってました。名作は読んだし好きな作家さんは中々新刊出さないしで…本作もセールやってた適当に目についたやつをまとめ買いして上から読んでたんです。
いや王道ってやっぱいい。
映画みたいだった。
読んだ後のこの充実感、久々です。
エロもエロいしね!!!!!!BLやっぱ最高ですわ!!!!!!!
本当に一冊でこの満足感!スッキリした終わり方!切ないけどハッピーエンド!ムネアツですわ!そして勉強にもなる(笑)コレ映画化したらいいんじゃない?(笑)
個人的にクロエちゃんが「恋の呪い」について語るシーンが印象深かった。恋の呪いでテオは外の世界へ、クロエは内の世界へ・・・岐路に立って自分で選んだことでどっちが正解とかもない・・・心理描写とかキャラの心情とかしっかりしてて感情移入しまくりでした。物語の都合で動いてる感じがしないのがなにより良かった。オズも最後は自分でしっかり決意してテオを攫ってやりたい事に向かっていったし。下手にあそこでスカウトとかで役者に抜擢されてハッピーエンドとかにならなくてよかったです。あの終わり方だからこそ良かった。おまけ漫画とかも変になくて良かった。余韻に浸れなくなるからね・・・
Posted by ブクログ
80年代のアメリカ舞台で、映画を見ているようでした。
設定が特殊なので説明だけ
アーミッシュとういうのは、キリスト教系の生活共同体でアメリカの開拓時代そのままの生活をしている。電気、機械は必要最低限、キリスト教系の厳しい戒律を守っているので、酒
ダンス・映画を全部NG。
だだ、10代に入るとラムスプリンガという、制限されていることを経験していい時期がある。
このラムスプリンガっていう期間限定の青春謳歌の時っていいですよね。心惹かれる。
ラムスプリンガを終えると、アーミッシュとして生きるか、外の世界で生きるか自分で決められるのですが、外の世界で生きる=故郷との決別を意味する。
アーミッシュの攻めはこの時期にオズ出会う。
何も知らない、無垢なテオにオズは外の世界の色んな事を教えてあげるんです。お酒にタバコ・映画…二人はかけがえのない友達になっていく。
こう書くと昔のJuneっぽい懐かしいかんじしますね。
テンポが軽やかなので全体的に落ち込んだ話にはなってないのがいいです。
両思いになって、幸せな時を過ごす二人ですが
ラムスプリンガには終わりがくる。
その時二人がどんな選択をするのか、また、オズがダンサーを目指した理由と挫折した過去とは…?
最後は一抹の切なさを含んだ終わりがまさに映画のようでした。
Posted by ブクログ
友人の勧めで購入。
素晴らしかった。読んでよかった。上質な単館上映の映画を見たかのような読後感。
まず構成が完璧。最初のシーンから最後まで、モブキャラひとりすら使い捨てにしない。すべてに意味があり、すべてがラストにつながっていく。
かといって理に勝ちすぎることもなく、これでもかというくらい感情を揺さぶってくる。
読後に脳内を流れたのはなぜか「壊れかけのRadio」だった。少年(というにはとうがたちすぎているかもしれないが)から大人に変わる瞬間、それがラムスプリンガ(人生の選択)なのかもしれない。
匿名
1番好き!
めっちゃ泣きました。まず世界観というか文化とか宗教的なストーリーが好きだし色んな歌とかも語られていて凄い素敵でした。絵も綺麗で凄い惹き込まれました。
テオはばかっぽくて何も考えてないようにみえるけど時々見せる真面目な顔とか言動がぐっとくるし頭良さそうに見えて少し臆病気味なオズをテオがぐいぐいいってくれるのがほんとに最高でした。最後の方空気がひりひり感じ凄かったけどちゃんとハッピーエンドになってくれてよかったです。最後のオズのセリフが少し切なくてうってなりました。お互い住む世界も考え方も違うかもだけど2人で色んな世界を感じて支え合って生きていって欲しいです。
美しく切ない異文化
アーミッシュついて作者様の別作品で知り、とても良かったのでこちらも購入しました。
愛する家族が健在なのに、その故郷との絶縁は一般的な日本人の想像を上回る覚悟が必要だと思います。殆んど文明の恩恵を受けない穏やかな暮らしから若者が抜けようとするなら、確かに快楽か知的好奇心、もしくは外の人に恋したかですね。
本作品も繊細で叙情的で、人の優しさと切なさに溢れた名作でした。ジーンのほうもすぐ再読しなければ!