【感想・ネタバレ】ウルトラ図解 統合失調症のレビュー

糸川昌成

１００人に１人が発症するとされる統合失調症は代表的な心の病気で、若いうちに発症する人が多いのが特徴。最近の治療方法の進歩もあり、十分に社会復帰が可能な病気となっています。本書は理解が難しい部分もあるこの病気の原因・要因、症状、受診のポイント、治療とリハビリ、回復に向けた生活、支援制度などを、豊富な図解でわかりやすく説明。家族をはじめとした周囲の人の対応が病状を左右するとされる統合失調症を、より深く理解して、患者さんとともにより良い人生を歩むための確かな情報を、幅広く提供しています。

[ブクログ · ★★★★☆]

【薬以外に必要なもの】
「はじめに」と「あとがき」で監修者が述べていることは、文章こそ分かりにくいが、重要なことだと思う。薬で治せるものと、心にアプローチすることでしか治せないことの両面があるということ。薬は精神科医が処方してくれるが、体験反応の原因にまで遡って考えてくれる精神科医がどれほどいるだろうか？　心にアプローチするのは家族しか出来ないのではないか。
本書の「あとがき」で夏苅郁子氏に言及されていて、夏苅氏のことを知るきっかけになったのはよかった。早速、夏苅氏の著書を読むことにした。