あらすじ
『男はつらいよ』シリーズ、『下町の太陽』『幸福の黄色いハンカチ』『遙かなる山の呼び声』『駅 STATION』など数々の名作に出演してきた著者が、「現場」で出会った素敵な人びととのエピソードから、著者自身の生き方、演じ方、歌い方までを語り尽します。すっと立っているだけで人間的な美しさを感じさせる名優たち。考えに考え抜いて作品に生命を吹き込む名監督たち。こだわりの仕事で映画を豊かなものにする凄腕スタッフたち……。人情味あふれる逸話の数々から、人間として大切な生き方の「道しるべ」が見えてくる、珠玉の一冊。 ◆第1章 寅さんと渥美さんと私 ●渥美清さんとの特別な瞬間 ●初共演ではスカートをまくしあげて…… ●この映画は永遠のラブロマンス――ほか ◆第2章 本番、よーいスタート! ●もっと何かある、まだ違う何かがある ●1台のカメラで1ショットずつ撮り重ねる ●山田組スタッフの底力――ほか ◆第3章 北海道、そして健さん ●スーパースターのオーラ ●居酒屋のセットで桐子になれた ●高倉健さんの魅力――ほか ◆第4章 普通を演じる ●さくらになあれ ●台本はびっしり書き込んで捨ててしまう ●笠智衆さんの人間としての美しさ――ほか ◆第5章 人生というステージ ●「違う、違う。もっと色気を出して!」 ●歌は語るように、セリフは歌うように ●人との出会いで人は変わる――ほか
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Posted by ブクログ
寅さんとさくらさん、渥美さんと倍賞さん、本当に好きなのです。倍賞さんの思い出語りを聞く間、お二人の撮影現場、気配の近くにいられた気持ちになりました。読みながら、いくつかの映画も見直しました。ありがとうございました。柴又に行かなくちゃ
Posted by ブクログ
庶民派の大女優 倍賞千恵子さんの思いをつづった書に、なつかしさと温かさを感じました。
1 寅さんと渥美さんと私
2 本番、よーいスタート
3 北海道、そして健さん
4 普通を感じる
5 人生というステージ
前段は、渥美清、高倉健、笠智衆さん、山田組の思いでを、後段は、女優として、歌手としての賠償千恵子さんが感じてきたことを丁寧に伝えてくれています
寅さん、幸せの黄色いハンカチ、駅、もよかったけれど、志村けんとのからみも涙が出るほど、おもしろかった。
尊敬と愛情と信頼
ご自身がこれまでに関わられてきたお仕事,人,環境等,その全てに敬意と愛情が感じられる1冊です。
ご自身の事についても時折クスッとしてしまうような温かくユーモラスな書き方をされていて,倍賞千恵子さんという方が同じ女性として,俳優さんとして,そして人としても,もっともっと大好きになりました。
生涯大切に読ませて頂きたい1冊です。
Posted by ブクログ
「男はつらいよ」「遙かなる山の呼び声」など数々の名作に出演してきた著者が、「現場」で出会った人びととのエピソードや自分自身の生き方、演じ方、歌い方などを様々に語った本です。
これまでに観た映画のシーンが、頭の中に浮かんできました。寅さん・おいちゃん・おばちゃん・タコ社長・御前さまなど多くの名優が声が頭の中に響いた感じです。スクリーンに表れる姿だけでなく、その人柄が見えてきました。また映画の撮り方も場面を丁寧に重ねる手法をとっていたことなどを初めて知り、とても興味深い内容でした。
「死ぬことは生きること」「人との出会いで人は変わる」など、どう生きるかは本人が決めることですが、いろいろと考えさせられるキーワードもたくさんありました。
葛飾・柴又駅前の駅前の寅さんの銅像のそばに、今年の3月にさくらさんの銅像が立ったそうです。今度、会いに行こうと思います。
ぜひみなさんも読んでみてください。
Posted by ブクログ
倍賞さんの人柄が良く出ていて、共演した俳優さんや監督との交流や繋がりがとても上手に記されている。女優さんとしての枠を超えて、一人の人間として尊敬している。
私の母方の墓が高梁の薬王院にあるのだが、そこは第8作のロケ地にもなったお寺。お墓で「笑って〜」の舞台。倍賞さんは、収録後何十年も経ってからふらりと立ち寄られたそうで、お寺にはその時の写真が飾られている。思い出深いロケ地との事で立ち寄られたそうだが、高梁の薬王院は、「立ち寄る」って場所ではない。色々な思い出の中で、懐かしくなったのか…それとも…もしかしたら、倍賞さんは、同じ様にして色々なロケ地を再訪しているのかもしれないと最近思い始めている。
Posted by ブクログ
#892「倍賞千恵子の現場」
身近な庶民の娘さんを演じてはこれ以上ない適性の倍賞千恵子さんであります。渥美清さん、高倉健さん、笠智衆さん、山田洋次監督などとの交流が綴られてゐます。
わたくし、映画スタア自身が語る書物が好きなので、つひ読んでしまふのです。
Posted by ブクログ
倍賞千恵子さん、1941.6.29生まれ、1962年「下町の太陽」がヒット、翌1963年映画化。①目の小さいお兄ちゃん、寅さん(渥美清さん)の妹さくら、「男はつらいよ」第1作(1969年)~第48作(1995年)。渥美清さん1996.8.4没(68歳)②眼力のある高倉健さんと。「幸福の黄色いハンカチ」(1977年)夕張 勇作と光枝、「遥かなる山の呼び声」(1980年)中標津 耕作と民子、「駅 STATION」(1981年)留萌と増毛 英次と桐子。高倉健さん2014.11.10没(83歳)
Posted by ブクログ
倍賞千恵子さんと言えばもちろん、
「寅さん」の妹さくらさん。
ずっと年上の女性なのに、素直で賢くて可愛らしいさくらさんが私の中では倍賞さんと同化していました。
そのイメージはあながち間違ってもいなかったようです。
自分の過ごして来た日々や、出会った人たちを語る倍賞さんはやはり
気取らず偉ぶらず、役柄と真摯に向かい合う
とても素敵な女性でした。
倍賞さんの目を通して見えてくる
渥美清さんや高倉健さんも
役者としてだけでなく、一人の人間として
素晴らしく稀有な存在であったことが伝わってきて
うれしくなりました。
これからもまだまだ、たくさんの素敵な歌と演技を
見せてほしいと思います。