あらすじ
舞台はAIがヒトから仕事を奪い始めた2020東京オリンピック後のAI特区フジヤマ市。ビットコイン、ブロックチェーン、ディープラーニングと友情・恋愛、裏切り……。ヒトとAIは共存できるか?美人AIマルチナは神のギフトか破滅者か?AIと仮想通貨時代をどう生きるか?超AI時代を読み解くビジネス青春小説!
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Posted by ブクログ
小説なのに参考文献が付いており、AIの技術について事実に基づいて書かれているようです。
これから先、AIそのものだけでなく、我々人間がAIに対してどう感情を抱き、どう扱うかということも課題になると思います。
本書ではAIがまるで人に対して愛情を持っているかのように振る舞い、人を喜ばせたり困惑させる場面がありました。人の想像力や共感能力に訴えるAIの行動が、将来人間にどのような影響を与えるのか、とても楽しみです。
Posted by ブクログ
もし近未来になって、AIが社会実装されたら?
そんな世界を描いた青春小説。
実は結構リアリティがあって、AIの実装も、まだ「特区」の中での話。
その特区で暮らす若者たちのAIを絡めた群像劇だ。
そこに出てくる「AIが出来ること」については、きちんと取材が出来ている印象だ。
今現在のAI研究の世界で言われている「万能説」「限界説」についてもここで触れている。
AIが人類の能力を超えるのか?
については、答えは単純で「超える能力もある」だけだ。
人間が走っても、自動車に勝てないのと同じで、計算能力や記憶力、検索力については今現在でもAIに勝てる訳がない。
ただそれだけだ。
逆にAIに負けない人間の能力とは何なのか?
結局は「想像力」だ。
AIの限界の話では、先ず「フレーム問題」が持ち上がる。
AIはフレームの外側を超えることが出来ない。
決められた枠内の最適化しか出来ないのがAIで、枠を超えられるのが人間だけなのだ。
つまりは想像力。
ある一つの情報や課題に対して、条件や過去の事例の中から最適化を図るのがAI。
まったく別の材料を組み合わせたり、突飛なアイディアを出せるのが人間。
この小説ではAIを悪用して悪事を働く輩も出てくる。
ほんの数年後の近未来。限りなくこれらの事が現実的になっていくだろう。
つまり我々はこの世界から逃れられないのだ。
さぁどうやって生きるか?答えは出ているはずだ。
(2019/5/5)