あらすじ
猫たちを統べる猫神様に見守られ、賑わう日立門商店街に一人の神様がやってきた。「はじめまして、商店街のみなさん。わたしの名前は見つけるさん。新米の神様です! 先輩の猫神様と一緒に皆さんの失くしたものを探すお手伝いをさせてください」 みんなの抱える問題を失くしもの探しを通じて解決します。時には自分では気付いていない、淡い絶望を晴らすことも――。困ったときにはご用命を。これは小さな女の子の姿をした、なりたての神様の「答え探し」の物語。
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Posted by ブクログ
物品限定で失せ物探しをする幼女の姿をした神様のおはなし
自らを「見つけるさん」という神様と名乗り、訳ありの人達が集まりやすい商店街で喧伝する彼女
途中で気になるフレーズがあるけど、最後まで読むと見つけるさんの正体というか来歴がわかって、「ああ、なるほど」と思える
まぁ、だからこそのツッコミどころも多数あるわけだけれどもね
娘の結婚を許さない父親、結婚指輪を探す奥さん、友だちからもらったマスコットを探す女子中学生、ジャンク品のカメラの持ち主、見つけるさんの監督役の猫神様の来歴
どれもこれも人情味あふれるお話
こんなハートフルな小説ばっかり読んでいたいよなぁ~
あと、神様でありながら人間臭さを感じるのがよい
作中で
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ひとの悲しみを共に悲しみ、喜びを共に喜べる神様
自然と笑顔を振りまき、それを見た人間をも笑顔にしてしまう神様。
それらは間違いなく、彼女の『才』だ。
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と賞せられるように、人間に寄り添る姿が、実際にこんな存在がいたらいいなと思う
上の表現はドラえもんのび太の結婚前夜でしずかちゃんのパパがのび太を評した台詞に似ている
あとがきで語られている、この作品が書き上げられたきっかけ
その来歴とも相まって、誰かの助けになりうるとてもよいお話だと思う