あらすじ
アイドルグループ“PORALIS”に所属するミューと純。下積み時代からともに過ごした二人は互いに強い憧れを抱いていた。デビューが決まり、センターに抜擢されたのは甘いルックスが売りのミュー。“顔人気”と揶揄されながらも必死で努力していたことを知る純は、一緒に喜んだ。しかしその裏で純がミューをセンターにするために枕営業をしていたことがバレてしまい…
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Posted by ブクログ
売れてないアイドルと身代わり枕の話。BLマンガってより1本の映画観てるような感じ。ヘタすると美談にされそうな自己犠牲だけど、当人が自分のやってることが一番大事な相手を踏みにじってるんだということに自覚的なのでちゃんと悲劇として成り立ってる。アイドルという光の世界から叩き落とされたような落差はなくて、みんながみんなずっと泥の中にいて藻掻き続けてる。読者に寄り添う視点の登場人物がいない割にはそれぞれの心情にシームレスに入り込みやすくなってるのでその流れさえ途切れなければ没入感がある。逆に言うとどっかで冷めてしまうと取り残されるかも。メンバーそれぞれの心情に深く沿った末に迎えるエンディングは万感の思いがある。4人いるうち1人はちょっと掘り下げ浅かったけど、ボリューム的にはそれで良かった気がする。深く入り込むには3人が限度。ハピエンかメリバかは読む人次第かもしれない。恋と名付けるにはあまりにも血と泥がまとわりついていて、なおかつ細く強く輝いてる。