【感想・ネタバレ】愛とためらいの哲学のレビュー

あらすじ

なぜ、あなたの愛は幸福をもたらさないのか……。どれほど幸せな恋であろうとも、嫉妬や依存、失恋など、様々な要因により一転して苦しいものになってしまう。思うようにならない他者と生きるなか、幸福な愛とは、どうすれば実現が可能なのだろうか。大切なのは「いかに愛されるか」ではなく、「いかに愛するか」を学ぶことであると著者はいう。愛とは能力であり、技術であるというのだ。では、私たちはいかに人を愛するべきなのか。人を愛するというのは、そもそもどういうことなのか。アドラー、フロム、三木清など、多くの賢人たちの智恵を手掛かりに、アドラー研究の第一人者であり、ギリシア哲学を専門とする著者が語る、待望の恋愛論。 〈目次〉●はじめに ●第1章 なぜあなたの「恋愛」は幸せをもたらさないのか ●第2章 結婚と子育ての困難について ●第3章 人を愛するとはどういうことなのか ●第4章 幸福になるための「愛する技術」 ●おわりに

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Posted by ブクログ

ネタバレ


(本書を手に取ったきっかけ)
夫婦の関係性に思うところあり、恋愛関係の本を読んでみようと探していたところ、著者の岸見一郎さんが、読んでみたいと思っていた「嫌われる勇気」の著者ということで、こちらを読んでみることに。

愛とためらいを軸に、夫婦間での心理的葛藤や人間関係の問題を探り、愛することの難しさとその中に潜む恐れや不安について、哲学的視点から深く考察している本です。

(心に残ったフレーズ)
・生きる喜びや幸福も対人関係の中でしか得ることはできません。
・問題は誰を愛するかではなく、どのように人を愛するか、その愛し方にある
・自分に価値がないと思うので、対人関係の中に入らないのではなく、対人関係の中に入らないために自分に価値があると思ってはいけないのです。
・恋愛をためらう人が勇気を持つためには、自分には価値があると思い、そんな自分を好きになることが必要である
・悩むことの目的は決めないこと
・涙と不平は、協力をかき乱し、他者を従属させるための極度に効果的な武器である
・怒りの感情が起きた時点で、二人の間には愛はないのです。
・持続しない情念は人を苦しめないでしょうが、持続する愛と嫉妬は人を苦しめることになります。
・愛とは、愛する者の生命と成長を積極的に気にかけることである。この積極的な配慮のないところに愛はない
・恋愛がうまくいかないことを恐れる人は自信を持とうとしません。また、関心が自分にしか向いていません。
・未来は予測できないが、だからこそ生きる価値がある
・恋愛においても同じように、闇(問題点)を取り除こうとするのではなく、光を当てる(正しい愛し方を知る)ことこそが必要になるのです。
・愛は「流れ」である
・愛が経験である以上、愛には更新していく努力が不可欠になります。しかし、その努力は、相手とよい関係を築くことを目標とするのですから、決して苦痛ではないはずです。むしろ、それは喜びとしての努力です。
・愛は「ある」ものであり流れなのですから、相手の思いを所有して繋ぎ止めることはできません。
・自分が相手に選ばれたことを喜び、そのことで初めて自信を持てたのであれば、自分の価値は相手に依存することになってしまいます。
・相手の存在が、自分の存在を強めてくれると考えるのです。
・相手に認められることにこだわる人は、相手が自分を認めてくれないとわかると、もはや相手に貢献しようとは思わなくなります。
・自分が相手の生のために必要とされていると自分で思えれば、相手に感謝されなくても、自分に価値があると思うことができるのです。
・共鳴を引き起こしうるような何かを持った人が、自分と同じ振動数を持った人に共鳴を引き起こすのです。
・愛は能力です。そして勇気です。
・相手に不断の関心を持っていることが、愛を維持するための条件
・一度話し合っても結論が出なかった場合、「今日は結論が出なかったけれど、また話しましょう」と次回に持ち越せばいい
・対等な関係を築くためには、相手に関心を持つことが必要
・大事なのは、この人の前では普通にしていてもよいと感じられること
・相手が自分を選ぶかどうかは、相手が決めることで自分には決めることはできないのですから、自分ができること、つまり、共にいられる時間を大切にすることに尽力するしかないのです。
・尊敬とは「愛する人が、私のためにではなく、その人自身のために、その人なりのやり方で、成長していってほしいと願う」こと

(感想)
本書を通じて、愛は「流れ」であり、流れを止めないために、普段の努力が必要で、相手を理解しようとし、関心を持ち続けることが大事なんだと理解しました。決して諦めずに、かと言って愛されることを期待せず、愛を枯渇させない努力を行なっていこうと感じました。

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2024年09月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

・やっぱこういう哲学書うざいかも、こっちが上手くいかない理由を愛し方に問題があるって決めつけてくんな、あと冒頭で言ってること大体「1+1=2」くらい当たり前のことしか言ってない
・愛の関係において起きる困難は基本的に他の対人関係に起きる困難と同じとか言ってるけど違うから、恋愛における困難は性欲っていう厄介なものが混じってくるからね?
・「そもそも、誰かと競争するために人を好きになったり、結婚したりするのではないはずですが、常に人と競争して生きてきた人は愛や結婚においても勝たなければならないと考えるため、勝算がなければ愛の関係に入っていこうとしないのです。」→しんだ
・ライフスタイル=自分や他人、世界についての信念体系、思考の癖、世界の見方って捉えるんだ、ふむふむ
・不倫や二股をする理由が、負ける理由を相手に押し付けられること、選択の責任を取らずに先延ばしにできることである→理解、共感
・「相手を支配するために、最初からなんらかの意味で自分よりも弱いパートナーを探す人もいます。そのような人は、自分よりも学歴が高い人や頭のいい人をパートナーに選びません。」→いるいる、そういうやつ、だせえよな
・彼氏のためにお弁当作るエピソード読んで、いつも尽くし過ぎちゃう友達に読んで欲しいと思った
・本書に書いてる試し行為、全部幼稚すぎて共感できないんだが、世の中の人間は大人になってからもこんなことやってるのか?
・「愛はもとより勝ち負けの問題ではありませんが、自信がある人であれば、嫉妬することはないでしょう」→本当に当たり前のことしか言わなくてイライラしちゃう
・アドラー「デートに遅れるのは相手にどう思われるかとか色々考えてたら遅れちゃう」
・著者「デートに遅れることをなんとも思ってない、自分にしか関心がないから」
⇒わろた、デート相手によるやろ
・「年収や社会的地位で相手を選び自分の欲求を達成するための手段として利用することは相手を犠牲にしているのです」→そう?お互いじゃない?その人と一緒にいることを決めてるのも相手の意志だしな。
・「どんなことでも、たとえ以前は長所だと思っていたことでも短所に見え、それを別れることの理由にするのです。」→ふぅ。
・「この人は私にとって有用な人なのかと考えるのは、先に見た甘やかされた子どもの特徴といえるでしょう」→え、これ考えない人いるの?私が甘やかされたからそうなの?
・著者もアドラーも綺麗事ばっかり言っててむかつく、ほんまに自分はそんな純愛してるつもりなんか、てか本当にそう思ってんなら、もはや意識的に作った人工的な純愛やろ
・フロム「幼稚な愛は『愛されているから愛する』という原則にしたがう。未成熟な愛は『あなたが必要だから、あなたを愛する。』と言い、成熟した愛は『あなたを愛しているから、あなたが必要だ』と言う」→この言葉いいね、これ徹底できたらしょうもない喧嘩起きない

・著者「失恋が苦しいのは、恋愛をギブ・アンド・テイクで考えているからです。自分の与えた愛に対して、それ相応の愛が与えられないなら苦しむのです。」→それはもう振られてる側の前提じゃん、そうじゃない場合もあるわ
・著者、甘やかされて育った子どもに対して厳しすぎておもろい
・自立とは、決して一人で生きること、自分のことを自分だけでできるようになることではありません。むしろ「私」のためだはなく、「私たち」のためを考え、私ではなく「私たち」の幸福を達成すると言う課題に向き合えるようになることなのです。→今はあまり理解できなかったので、メモ。
・相手に関心を持たなくなる理由の一つに相手のことを完全に理解しているという思い込みがある、その事実に目を向けない→思い当たるなぁ、長く付き合うとこういう人だしなって決めつけがち
・「しかし、一人で過ごす事ができふ、一人でいても不安にならない。そんな人だけが二人でいる時間を楽しむことができるのです。一人でいる時でも集中できる人であれば、二人でいる時にも、一人でいる時のように『今ここ』に集中できるからです。」→これ、めちゃくちゃしんどい時期に、しんどいながらもめっちゃ仕事とか自分磨きに奔走してる私に対して親友が掛けてくれた以下の言葉思い出した
「はなしちがうけど、何かと(ものでも人でも)良好な関係を維持できるのは、それを手放した状態も受容できるくらい自分の土台が安定してる人だと思うんだよね
アルコールを飲まなくてもちゃんと生活できる人だけが、アルコールのメリットを享受できるように、
あったらプラスだけど、なくても0に戻るだけ、マイナスになるわけじゃないっていう、そういうものこそ健やかに大切にできると思う
人間関係含め何かが「ない」状態を受容できるほどの強さを身につけた人だけ、プラスαのものとしてその何かを受け入れて、健全に付き合っていけるはずだから、
今自分磨きに精を出して、裸の自分をより安定したものにしようとしてることは
大事なものをさらに大切にできる強さにつながっていくのではないかと思いました!」
・「最初の頃の気持ちを忘れないためには、決して慣れてはいけないのです。いつもこの人と会うのは今日が初めてなのだと思って一日を始めてみましょう。」→むずすぎわろた、でも飽き性の人にとっては大事なマインドセットかもしれない(自戒
・「しかし、愛の関係は他の関係と基本的には同じたいじんかんかいではありますが、第一章で見たような、距離と持続性の点だけでなく、身体的に引きつけられるという点においても異なります。」→これ一番最初に指摘した違和感じゃん、伏線回収
・「セックスは狭義の性行為ではなく、例えば、一方が仕事から帰宅した際に『ただいま』といい、もう一方が『おかえり』というところから既に始まっているのです。」→そうだったんだwwwwww

【総論】
・イライラ8割スッキリ2割
┗イライラのうち5割が「そんなこと知っとるわ」3割が「そんなことないわ」。スッキリは「自分がなんとなく考えていたことが明確に言語化されたことへのスッキリ」or「自分が考えていたことの一歩先の見解を得られたことへのスッキリ」。
・哲学書向いてないなって思ったけど、読んで良かったこともあった。
┗向いてないなって思った点は、主語デカ決めつけ構文を許容できない、個別化されない著者の主観混じりの意見の押し付けに終始イライラしてた。ディスカッションしたい気持ちになった。
┗良かったなと思った点は、イライラしたけど「自分がなんでイライラするのか」ってことを考えると、自分の考え方が整理された。
・この本は私よりもっと読むべき人がいると思った。メインターゲット層じゃない。
┗いつもクズみたいな人と付き合っちゃうとか、付き合うと相手をダメにしちゃうとか、束縛しちゃう人とか、そういう人が読んだ方がいい。それか、ヤリ○ン。(読んでも理解できなさそうだけど)
・これは完全に私の問題なんだけど、なんで読みながらずっとイライラしてたんだろうって考えた時に、「おじさんが恋愛語ってる」ってことが生理的に無理なんだと思う、その前提のせいで言ってること全部を批判的に捉えちゃう、恋愛に悩んでる人たちに対して俯瞰して上からアドバイスしてくる感じも無理(まぁ哲学書ってそういうものなんだけど)

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2024年04月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

まずは相手に関心を持ち続けること、理解することと賛成することは違うこと、言葉にして伝えること
愛するということだけでも、人と人の関係は複雑で努力と技術が必要なんだなあと実感した。

人は常に変わり続けるから、初めて会うと考えてみて過去に執着しないでいきたい

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2023年10月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

愛とは落ちるものではなく、能力であり技術である。

いつも難しい相手を好きになってしまう、出会いがないと言う、遠距離だから上手くいかないと言う、相手に性的魅力を感じなくなったと言う、親の結婚が不幸だから結婚しないと言う、全て、言い訳を探しているから。

運命の人は存在しない、運命の人がいるのではなく、この人は運命の人だと決めるというのが本当。

出会いがありさえすれば恋愛が成就するのではない。出会いを「縁」にまで高めることができれば、出会いは偶然以上のものになる。

「愛する」という行為があるだけなのに、それとは別に「愛」というものがあるかのように考えることが問題。愛は持つことはできず、経験されるだけです。それなのに愛が、人が「持つ」ものであると見なされるようになった時、人は愛されようとする努力も、相手を愛そうとする努力もしなくなる。

「幼稚な愛は『愛されているから愛する』という原則にしたがう。未成熟な愛は『あなたが必要だから、あなたを愛する』と言い、成熟した愛は『あなたを愛しているから、あなたが必要だ』と言う」

相手が自分をどう思っていようとも、そのこととは関係なく相手を愛することができる人には、失恋は存在しない。

自分が相手に選ばれたことを喜び、そのことで初めて自信を持てたのであれば、自分の価値は相手に依存することになる。しかし、相手に認められなければ自分の価値がないというわけではない。相手が自分をどう思うかは自分の価値には関係はない。

「自分は一人でも生きられる。それでも二人でいた方が、同じ経験を共有する喜びを持つことができる」と考えること。お互いがそう思うことができれば、二人は依存関係ではない、理想的な愛の関係を築くことができる。相手に愛されないからといって、自分が消えるわけではない。相手が愛してくれるから、自分が存在するのでもない。相手の存在が、自分の存在を強めてくれると考える。

「他者の心で感じる」ことは「共感」といえる。そして、その共感をする時に、二人の間には共鳴が起こっている。

本当の愛を知っている人は、相手に見返りを求めない。自分が相手の生のために必要とされていると自分で思えれば、相手に感謝されなくても、自分に価値があると思うことができる。本当の意味で他者を愛する人にとっては、相手から必要とされていると感じることすらも必要ではない。

愛を知る人は、自分自身より愛するパートナーの幸福に関心があり、愛を失うことを恐れない。

愛は能力であり勇気。


色々と深い。
明日からよしやってみよう!と気軽にできるものでもない。

フロムの愛することも読んでみたい。

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2022年07月30日

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