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和田智(著者)と奥山清行は共にムサビ出身で、欧米で第一線のカーデザイナーとして活躍して来た、この二人がほぼ同時期に日本に戻って、日本からデザイン発信しようと模索しているのも二人の共通点であり、彼等の力で沈滞した日本が変わるきっかけになると面白い。
彼等の今後の活躍に期待したい。
デザインを志す人だけではなく、普通に暮らす一般人にとっても示唆の多い本だ。
61ページの一文
”子どもの頃からすべてを与えられ、何不自由なく暮らしてきた若い世代には「本質」の意味を知る機会はありません。「現象」の中で流れて生きるのが普通であり、疑問を抱くことすらないかもしれません。今、若者に限らず大人も皆、「本質」について考えてみる時代なのだろうと思います。”には共鳴した。
86ページには、アップルのジョナサン・アイブに会って「Appleからニューヴィークルを出してもらえませんか?」と伝えたエピソードは興味深い。
あと、車好き(とくにアウディ)の人にはオススメ。A5は美しいと思うが、価格がネックかな。
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常に持ち歩いて、今の日本の現象と未来について思いを馳せています。ドイツの一線で活躍していた著者のモノごとを見る目と問題提起するポイントなどとても参考になります。ぜひ次世代の日本をデザインしていただきたいと思います。イサム・ノグチさんの意思を継ぐ思想も素敵だと思います。
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アウディでのデザイナー経験をもとに、ドイツのデザイン論やドイツ人の思考型式など、『ドイツ的なこと』を様々なエピソードを踏まえて、分かりやすく説明している。著者個人の体験によって肉付けされているため、ただの浅はかな文化論に終わることなく、文章が生き生きとしており、非常に読みごたえがある。
また、アウディのただ一人の日本人デザイナーとして、自分の日本的な良さを立ち返るエピソードにも、同様に説得力がある。
全体としては、非常に読みやすく、なおかつ示唆に富んでいて、デザイナーや車好きでなくても楽しめる本です。
私はデザイナーではないため、理解が浅いかもしれないがそれでも十分楽しめました。
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日産のカーデザイナーとして初代セフィーロなどを設計し、その後、AUDIに転じて、A6,Q7,世界で最も美しいクルマといわれるA5を世に出した和田智さんの本。
現在のAUDIの格好良さ、ブランド力向上の源流であるシングルフレームグリルをデザインしたのが同時代の日本人であるというのは誇らしく、そういうサクセスストーリーとして読んでもいい。
ではなぜ日本の会社でできないのかという日欧の働き方の差という企業組織、風土、あるいは広く文化の差について考えるのも面白い。
また、どうしたら和田さんのようなセンス、タレントが育つのかと、子供の教育のためのテキストとしてもためになる。
著者曰く、子供に何かを目指してほしいのなら、親がまずそれを実践していないと。
子供に人生を楽しんでほしいなら、オトナが人生を楽しんでいないと。
<以下、引用>
「子どもは誇り高い父親から多くを学ぶのだと思います。これは変わってはいけない親子の原則だと思います。だからおやじには、父親には、生き生き何かに取り組み、生き生きクルマに乗っていただきたいのです。」
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アウディ好きでもう18年!乗り続けていることがわかりました^^; 年数数えて自分でビックリ!(◎_◎;) 日本人デザイナーが造ったというA5、A6はじめて見たときは、なんか涙がでたのでした。その方が書いた本ということで、予想通り線の太い内容で腑に落ちます。自分もこの仕事でなこれば和田さんのような仕事をしてみたい!ですねえ(^-^)/
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クルマのデザインに限らず、今の日本のあらゆる現状に対する怒りが根底にくすぶっているのを感じるけれど、内容は終始前向きで明るい面を見ている。
大風呂敷を広げている感は否めないけれど、22世紀を生きる子供たちのために未来をデザインするなんて、果たして今まで考えたことがあっただろうか。
言うのは簡単で実行するのはむつかしいとはいえ、和田さんの真っすぐな意志が世界を変えるかもしれないと思わせる。
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デザインとは、過去と今、そして未来をつなげること。
印象的な言葉です。
いったいどれだけの人たちが自分たちの「手」で自分たちが理想とするクルマを創っているでしょうか?
クルマを家と置き換えても言えることだと思います。
なぜ家を創るのか?ここが明確でなければなりません。
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SW DESIGN TOKYO 代表となった和田氏。
かつて、GOOD DESIGN EXIPOの公開審査会場で
外国車としてはきわめて稀だが、
Audi A6のデザインを自らプレゼンした。
そのとき、EXIPO自体を否定するような、ふと漏らした一言が気になった。
趣旨は、
「これからを託すデザイナーにとって、
こういうたくさんのデザインに中に、身をおくことが、
果たしていいことなのか?」
ドイツなどヨーロッパで求められるのは、
ブランドの過去の歴史からの未来への過程でのデザイン。
つまり、答えは自身の中にある。周囲のデザインから導くのではない。
ということなのだろう。
Audiをやめた理由は、サラリーマンデザイナーの限界を感じたからという。
確かに、クルマのデザイナーは、狭い意味でのデザイナーにしかなれない気がする。
インフラ構築を含めたクルマのデザインが今、必要であるのは、
奥山清行氏も提言している。
ただし、和田氏は、
より几帳面に、プライベートを含めた、等身大のデザイナーの自分を書き記している。