あらすじ
「すごい!」「かわいい!」「それ、いいね!」
→ありきたりなほめ言葉で、相手は本当に喜ぶ?
「おいしそうなパンケーキ」
「メープルシロップたっぷりの絶品ふわふわパンケーキ」
→より「おいしそう」に感じる描写はどっち?
1つの言葉でいろいろな感情を表現できる形容詞(すごい、かわいい etc.)や、ざっくりした説明と相性がいい副詞(ほとんど、たくさん etc.)は、ついつい使ってしまいがち。
しかし、これらは会話で共感を示すときには便利でも、説明に使うと「中身が伝わらない」ことがあります。
さらに、これらを使いすぎると「頭が悪そう」に見えることも!
そこで本書では、国立国語研究所の教授で、日本語のレトリックに精通する著者が、文章表現の問題とその解答例を通じて、豊富な語彙を的確に使って洗練された文章を書くコツをわかりやすく説明します!
・詳しく丁寧に書きこむ「具体描写」
・擬音語・擬態語を駆使する「オノマトペ」
・事情を加える「背景説明」
・イメージをふくらませる「比喩」
など、大人なら知っておきたい、「知的な印象」を与える文書を書くための9つのテクニックを紹介!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
「すごい」「かわいい」「おいしい」——便利だけど、どれも抽象的すぎて、自分の感じたことを言い表すには物足りなさを感じていた。そんな言葉ぐせを見直すヒントになった一冊。
具体的にどう表現を変えるかの例が豊富で、読みながら「なるほど」と思うことも多かったけれど、実際に自分で文章を書くとなると手が止まってしまう場面も。
そこで、生成AIを使って設問のたたき台を作成。それをもとに自分の考えを掘り下げていくことで、読んだだけでは気づかなかった視点や、自分の中にある感覚を整理することができた。
特に印象に残ったのは、「主観を客観に変換する」視点。たとえば「人が多かった」を「列が店の外まで伸びていた」と書くような工夫が、読み手の想像力を助けると実感した。
今後は、形容詞に頼らず、より具体的に、より丁寧に書く練習をしていきたい。
Posted by ブクログ
POPを作ったり、会議の資料をまとめたりと様々な場面で文章を書く機会があります。どうしても使う表現のレパートリーが固定化されてしまうこともありますし、使い古された言い回しに頼って新鮮味がなく目が滑る文章を書いてしまうことも少なくありません。
本書で紹介されている表現技法は決して真新しいものではありませんし、知識としてはすでに見聞きしたことがあるものばかりです。けれども、文章を書き直してみる具体例や、それぞれのシチュエーションで活用できる言い回しが数多く紹介されていることで、実用的な表現力の復習にもなります。
レポートや論文だけでなく、ブログやSNSで文字を書く(自分が感じたことを表現する)機会は中高生にとっても日常的な活動ですから、それこそ脊髄反射的に「やばい」を繰り返すだけでなく、その時々に応じた自分の感情を多様な(そして個性的な)言葉で表現できるようにうなると、人としての魅力も高まるのではないかと思います。
Posted by ブクログ
形容詞を避けることが表現力向上の基本。
直観的表現から分析的表現へ。オノマトペを使う。
主観的表現からきゃっかんてきひょうげんへ。数値背景感化を使う
直接的表現から間接的表現へ。緩和、反対、比喩など。
すごい=何がどうすごいか表す。
おもしろい=何がどうおもしろいか、表す。
食レポは、おいしい、ではなくオノマトペで。
歩く姿、見た目、などもオノマトペで表現できる。
詳しく述べる=具体描写
かわいい、むずかしい、は具体的に。
怖い、はだからどうなのか、を表す。
多い、少ない、は具体的な量を言う。
さまざま、いろいろ、ではなく具体的な項目を上げる。
おおぜい、たくさん、は使わない。具体的な量をいう。
数名、いくつか、も具体的な量を言う。
数名より若干名、のほうがぼかしやすい。ひとりでもいい。
忙しい、は理由を添えて。
家庭の事情も具体例で。
難しい、も理由を添えて。
Posted by ブクログ
自分が日頃、いかに楽な表現(やばい、かわいい、死ぬほど)に逃げているかを痛感しました。
本書に書かれているような表現がSNSなどでは回りくどく感じたり浮いたりする場面もあるかとは思います。
ですが、自分の想いを伝えたいいざというときに読み手に誤解なく確実に伝わる表現ができるよう日頃から鍛えようと思いました。
Posted by ブクログ
1.あいまいさを避ける「限定表現」
2.個別性を持たせる「オノマトペ」
3.詳しく述べる「具体描写」
4.明確な基準を示す「数量化」
5.事情を加える「背景説明」
6.出来事を用いる「感化」
7.表現を和らげる「緩和」
8.裏から迫る「あまのじゃく」
9.イメージを膨らませる「比喩」
Posted by ブクログ
自分なりの文章を書くメソッドが非常にわかりやすく説明された一冊。
よく好きなものについて感想を述べる時、語彙力が無くなるというけど、使い古された表現だけでは表面上の内容しか相手に伝わらず、また読み手も浅い感想だけで全て分かった気になってしまう。そうではなくて、ありとあらゆる比喩や基準を使い、より具体的に自分が感じたことや考えた事を的確に表現することで、さらに踏み込んだ興味や関心を読み手に想起させることが出来る。
相手に配慮した言葉を使う事で余計な誤解やトラブルに巻き込まれずにすむ。強い言葉だけが一人歩きするご時世に、これからの社会生活に、最も重要な事じゃないかと思う。