【感想・ネタバレ】いらない課長、すごい課長のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

過去の典型定期な課長タイプを「いらない課長」とし、現代に求められる課長像を「すごい課長」と定義し、必要なスキルを解説している。
・現在の課長層が特に強化すべき能力の第一位は「部下を育成する力」、第二位は「職場の課題を形成する力」、第三位は「労務管理に関する力」。さらに目先の事象に囚われず、職場の構造的な問題に光を当てて解決することが求められている。
・ちなみに部長に求められるものの第一位は「戦略的に物事を考える力」、第二位は「職場のミッションやビジョンを描く力」、第三位は「経営戦略、マーケティングに関する力」。
・「共通の利害を前提としない調整(正社員と派遣社員間の問題等)」が求められる。
・これは経験則だが、傍からは自分の評価や出世に興味を示しているようには見えない人材が、結果として出世していくということだ。このような人材は、上司に自分の仕事ぶりをアピールすることもしないし、仕事はしつかりやって部下しも良好な関係を築くが、定時になったらさっさと家路につくようなタイプである。またこれも出世していく人材の特徴であるが、彼らは人の話を聴くのがうまく、さらに経営層にまで上り詰める人材の多くはどんな立場の人間も差別せず、気遣いができる。社外に人脈を築いているのも出世していく人材の特徴だ。
・とにかくたった一人の誰か、スタッフのために全力を尽くそう(フォー・ユー精神に徹する)。
・高業績者が発揮するコンピテンシー(成果に至る行動特性・思考特性)のすべては「役割意識」に収れんする。役割意識とは、組織において自らの役割を高く認識し、行動するコンピテンシーだ。
部長に求められる能力は戦略的に物事を考える力やミツションやビジョンを描くカ、そして経営戦略/マーケティングに関する知識だ。これらの能力は、グロービスに行けば習得できる内容であるが、果たして課長が職場のマネジメントを円滑に行う上で必要不可欠なのだろうか。自社の経営戦略/マーケティングの実行とその評価を適切に行うために、職場や個人にはどんなモノサシがあてがわれるべきかを考え、答えを出す力だと考えている。
・重要なことは、あてがわれるKPIや先行指標により同じ部門の社員でも動き方がまったく異なるというこしなのだ。
・リストラの憂き目にあってから転職エージエントに連絡をしたり、キャリアカウンセリングを受けたうしても遅いのだ。人企業において順調にキャリアを築いているその時にこそ、自分のキャリアを客観視することが必要なのである。
・日系企業の職場は明文化されたルールではなく暗黙知で動いていることも多く、それが事例のような混乱や職場内にある種のマンネリ”慣れる””飽きる”だれる”を生じさせるのだ。なお、このようなマンネリを解消するために転居を伴うような人事異動を行うのであるが、その弊害は多く指摘されているところであるし、欧米企業には理由を告げられないような人事異動など通常はあり得ない。
・「話の分かる良い人」とは、「あなたにやってもらう仕事は、社内にはもうない」と言えば、操めるこしなく速やかに退職を決断してくれそうな社員のことだ。このような社員は、まずリストラを宣告されたという屈辱に耐えられない。居直る図々しさや駆け引きをするしたたかさも持ち合わせていない。せめて引き際だけは潔くと考えてしまうタイプの社員だ。
・観察に勝る凄みはない。観察のない発言ほど軽率なこともない。部下は自分をよく観てくれているし思うからこそ心からその上司に従うのだし、信頼するのだ。エンジニアにとって観察は当たり前のことだが、人の場合は観察=聴くこと。
・フィードバックを受けた人物が、次の面談までに何をして、どうその席に臨むかだ。特に宿題を出すわけではないが、前回のフイードバックをどう活かすかを真撃に考えて、対策を講じようとしている人物のポイントは高い。その人物の役割意識や変化への対応力など、重要なコンピテンシーの高さが分かるからだ。
・アドラー心理学は現代の課長のコミュニケーション力の参考になる。
・これは筆者からの提案であるが、課という単位を離れても、メンバーから飲み会に呼んでもらえるような存在を目指してはどうだろうか。そのためにユーモアのセンスが必要なのだ。一緒にいて、少なくとも重荷にならない人をまずは目指してはいかがだろうか。
・傾聴している状態とは、まず相手(クライアント)しカウンセラーが相対して、椅子に座る。それから、カウンセラーの後ろにクライアントの顔が見える状態で、もう一人の人間が別の椅子に座る。そしてクライアントが話すすべての言葉を、つぶやき程度の声で復唱するのだ。傾聴とは、クライアントの語る言葉を細大漏らさずにつぶやき返すこしと同様なのだ。
・コーチングは「心が健康で仕事に対するモチべーションも一定レべル以上にあるメンバー」に対しては有効なので用いてもよいが、「心が不健康で仕事に対するモチべーションも一定レべル以下に落ちてしまったメンバー」に対しては用いてはいけない。この場合はティーチングが必要。

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2017年05月21日

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