【感想・ネタバレ】er-しんどいオカマのお悩み相談 明るくないし強くもない孤独に苦悩し続けるオカマがひとりの人間として綴る哀憐の讃歌のレビュー

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悩みを解決するのは誰か?

2018年02月03日

ディムさんの文章は読みやすい。
そして相談者に真摯に向き合い、穏やかな声で「アタシはこう思うのだけど、貴方はどうかしら?」と問うてくれるのだ。
様々な人の価値観を教わり、目から鱗の言葉を聞いて相談者は再度悩みを掘り下げる事だろう。
この本は人生相談の送り主に、視野を広げたうえでもう一度考えてみるよう...続きを読む促してくれる。
ディムさんはヒントをくれるが、確固とした答えはくれない。
何故ならば答えを出すのは相談者自身だからだ。
人に決められた道を選ぶと、失敗した時に人は不満を抱き、道を決めた人のせいにする。
それでは何も成長しないし、次に同じ事が起きたとしても自分では対処出来ないで甘えたままでいてしまう。
悩み苦しんでも一人で答えを出し道を決めた人は、その決断に自分で責任を取るしかない。
しかし責任を持った時、その人は確実に自分の足で立っている事に気付くのだ。
ディムさんは、それを私達に促してくれている。
つらいのは自分達だけではない。
だから自分のつらさは自分で背負い歩いていこう。
この本には、そういう暖かい激励の言葉が沢山詰まっている。
倒れ伏してしまいそうになった時、この厳しくも優しい諭しに救われ、自分の足で立つ事の意味を知るのだ。
皆んな、つらい。
だから自分で背負い立つのだ。
人にまで自分のつらさを背負わせない為に。
この本を読むたび、そっと背中を叩かれる気がする。
そして私はまた、一歩を踏み出す勇気をもらう。

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