【感想・ネタバレ】文壇挽歌物語のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

文壇史三部作の最終編。昭和三十年以降の昭和文壇史を編集者の目から緻密に読み解いていく。和田芳恵の芸術院賞から石原慎太郎のデビュー、巻き起こる太陽族ブーム。日本の文学界において歴史を刻んできた伊藤整、野坂昭如など作家達の生涯を探っていく。文壇を単なる純文学、大衆文学と捉えるのではなく、作家の生体、消息を軸に描かれている為に一つ一つの作品ができるまでどのような人物が関わってきたのかよく伺える。目から鱗の発見ばかりである。
 本書は、作家論という見方も可能であるが、出版社が刊行する雑誌の歴史を辿ることにもつながる。日本の純文学を語る際に不可欠なことがこの一冊に集約されている。これほど数多くの資料にあたり、取材がされた文壇史作品は他にない。戦後の日本の文学を知るためにも、前作2部作と併せて読んでおきたい。

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2011年07月17日

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