【感想・ネタバレ】恋がらす事件帖 ： 1 仇討一番のレビュー

黒木久勝

観る者すべてを虜にする天才役者、揚羽恋之介と、見る者すべてを震え上がらせる剣豪、烏森堅四郎。正反対にもほどがある二人が、人生舞台で出会ってしまった。芸に惚れ込み押し掛け弟子になった堅四郎を、今日もしごき倒す恋之介。折しも両国で『大江戸芝居まつり』の開催が決定。一座の名を上げる絶好の機会に大張り切りする恋之介だったが、堅四郎は不穏な匂いを嗅ぎつける。期待の新シリーズ第一弾。

[ブクログ · ★★★☆☆]

楽しい時代物。無双一刀流の免許皆伝烏森堅四郎は、30を待たずに美濃加茂沢家の指南役に就く天才剣術士であだ名が「鬼がらす」。しかし実直すぎる性格から御前試合に藩主の嫡男に負けることを潔しとせず、解雇され浪人になる。江戸に職を求めたが得られず、世を儚んだときに救ってくれた小芝居屋「揚羽座」のスター恋之助を命の恩人と慕う。恋之助の弟子となり、慣れない芝居をこれからの仕事と決める。江戸の小芝居屋に入った剣豪の活躍が気楽に楽しめる本です。▼双葉文庫は文字が大きくて読みやすい。