あらすじ
「弱くてもいい。あなたがいいの」
ウィズにはわからなかった。偶然出会っただけの少女アローンがなぜ自分を慕うのか。彼は凡夫で、秀でた才能もない二流の傭兵。遠い故郷を目指すアローンの護衛役にはふさわしくない、そう思っていたが……。
「……同じだったから。あなたもわたしも同じ……選ばれなかった人間」
少女が告げる言葉の意味、そして待ち受ける残酷な運命を知ったとき――ウィズは決意する。守りたい……守ってみせる。
たとえかつての親友、救世の英雄を敵に回しても――
これは『選ばれなかった少年』と『見放された少女』が紡ぐ、誰も知らない“世界の裏”の英雄譚。第9回GA文庫大賞<優秀賞>作品。 ※電子版は紙書籍版と一部異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
なかなか面白かった。理屈抜きにしても読者の心を動かす描写力があって、奇妙なカタルシスと読後感を感じることができる。でもこれ2巻に続くのは予想外だった。
幸せになって欲しい2人の物語
どんなに努力しても何も得られなかった青年と、世界の敵にされてしまった少女が出会い、2人旅をする物語。
主人公の本当に弱くて何も特別な力持たなくて、その弱さのせいで仲間か見捨てられた描写が本当に辛い。そして本人が望まぬまま世界の敵にさせられ、世界を救う旅をする英雄たちに追われる少女。何も力を持たない青年が命を捨て英雄たちに立ち向かい、少女の願いを叶えようとする姿は、本当に感動的でした。