【感想・ネタバレ】金曜官邸前抗議のレビュー

あらすじ

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原発再稼働反対を訴え一般市民20万人が集まり、総理との異例の面会にも至った毎週金曜の通称「官邸前デモ」。戦後市民運動の明確な分岐点になったこの運動の経緯と思想を明らかにする。

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Posted by ブクログ

著者は首都圏反原発連合の名付け親にして主要メンバーである。当初300人で始まった総理官邸前における原発再稼動反対デモ活動は10万人に膨れ上がり、大きな社会現象となっている。この本はそんな経緯を記したものだ。しかし今なお大飯原発は再稼動したままだ。デモは無駄なのだろうか。いや全くそんなことはない。当初なし崩し的に再稼動がされると思われていた原発は、その後は一機も稼動していない。さらに原子力規制委員会は既存の原発下に活断層があることを次々と公表し、日本に原発が不向きであることを証明して見せた。デモの影響は間違いなく存在している。そもそも電気が不足していないのに原発の追加は有り得ない。とは言え自民党政権が復活し、原発推進は電気料の大幅アップを武器に再稼動気運を盛り上げてくるだろう。金の力は強いね。原発建設も結局は金の力だ。

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2015年01月27日

Posted by ブクログ

東日本大震災と同時に起きた福島第一原発事故。事故後に始まった毎週金曜日の官邸前抗議を、中心から見てきた著者が詳細に振り返ったドキュメント。
それまでの市民運動とは違った、“ふつうの”個人個人が原発を再稼働させようとする政府に対する怒りをもって集まってきた。その数はどんどん膨れあがり、最初の声かけ人たちはいかに一人の逮捕者も出さずに抗議行動を実行するか、警察と必死で対峙する。明石の花火大会での事故のように、“主催者”として責任を問われる恐怖を味わいながらも、それぞれがスキルを持ち寄って毎週の抗議行動を支えてきた、その過程はスリリングで各人の努力には頭が下がる。
右翼の街宣車対策で国会周辺では騒音を出してはいけないとか、デモができないような法の網が張り巡らされているのに、毎週人々が集まって抗議行動ができるのはなぜか、中心メンバーたちにも謎だというのが何だか愉快。毎週声を張り上げても効果はあるのか、自問自答を繰り返しながら、それでも「デモができる社会になった」(柄谷行人)という変化の兆しに希望を見い出し、少なくとも民主党政権の「原発依存ゼロ」方針を引き出したと著者は言う。
自民党安倍政権になってまた原始時代に戻り、原発推進へと邁進している現在、それでもやっぱり金曜は国会前へ、官邸へ向かって抗議をしに行こうと強く思う。

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2013年06月05日

Posted by ブクログ

金曜夜の官邸前抗議行動(主催者は決して「デモ」と表現しないので敢えてそう書く)についてのドキュメントと呼ぶべき一冊か。
起きていた事実を淡々と記述しているので、何が起きていたのかを知るには非常に分かり易い。

昨年の夏は一種のムーブメントとなっていたが、最近は1000人弱まで人数が落ち着いてきているようだ。
これを一時的なブームの終焉と評することは容易いが、実際問題大飯原発の再稼働後、どの原発も再稼働していないので、大衆を引き付ける強いメッセージ性のある論点が今は無い、というのが実態だろう。

もちろん東電の断罪であるとか、福島県民への補償・移住支援など、やるべきことはまだまだあるが、それらの事まで気が回り、なおかつそれを抗議行動として主張する様な大衆というのは結局あまりいないのだろう。

訴えるべき論点をクリアにし、関係の無い事は主張させない、組織の看板のアピールもさせない、など組織としてはっきりとした運営をされているのが印象的だ。

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2013年02月13日

Posted by ブクログ

官邸前デモの当事者による貴重な記録。必読.。
自分も1回だけ参加したことがあるけど、その場を作り、そして続けるために汗をかき続けている方々の苦労の一旦を伺える。
一人でも多くの人に読んでいただきたい。

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2012年12月20日

Posted by ブクログ

 タイトルどおり,フクシマ後に起こった反原発運動の顛末(といってもこれからも続くだろうが…)を内部から描いた力作です。当事者であるからこそわかる集会の問題点などをクリアに描き出しています。労働組合の旗を掲げるのはどうなのか,日の丸の旗を掲げるのはいいのか…マイクを持って自説を展開する人に対してどうするのか…など,ある一定のルールをしっかり守らせながら,しかも国民的な運動を作っていった様子が分かって,おもしろかったです。政府が大飯原発稼働を決めてしまったのですが,他の原発が動いていないのは,この運動のおかげかも知れないと思いました。

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2013年04月02日

Posted by ブクログ

毎週金曜日の夜、国会議事堂周辺、総理大臣官邸近くに通っていた。
原発事故に終息宣言をだし、早々と原発再稼働を決めた前政権に対して、自分の意思を伝えたいと思ったから。
その政権は、すでに斃れた。次の政権は、事故終息宣言だけは取り消したが、前の政権がかろうじて出した廃炉への道筋は見直すと早々に決定した。
今も国民は、ほとんど内容は伝わらず参加不参加だけがマスコミによって喧伝されるTPPに振り回されているが、それでいいのか?
本書は、官邸前抗議の呼びかけ人の一人である筆者が、どういう経緯で官邸前抗議が広がっていったか、そして参加者の様子はどうだったかについて淡々と記述している。一参加者であった私にはわからなかったことも。
官邸前の抗議行動を大きな音だとだけしか感じていない国会議員には読んでもらいたいと思った。 

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2013年03月16日

Posted by ブクログ

自分も立ち会った数々の現場、舞台裏での出来事。
恒例の・・・、などとも言われる首相官邸前抗議、別名金曜デモですが、毎回スタッフの必死の努力によって維持されている貴重な場であることを忘れてはいけません。
自民党政権になって原子力の巻き返しが激しくなってくるでしょう。
市民からの圧力がさらに必要とされる時代がやってきます。
一方、抗議・言論・表現自体への締め付けも強化されてくるかもしれません。
市民が声を上げ続けられるよう奮闘してくれるスタッフに感謝しつつ、私も微力ながら現場に足を運んで運動を支えようと思います。

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2012年12月28日

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